実.況してみた【実.況者】 (ページ27)

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実況27 ページ27

バイトからの帰り道。

たまたま通ったお店のショーウィンドウから見える可愛い服のマネキン。
色彩鮮やかな彼女達の着こなす服は最近トレンドの服だったり小物であったりだった。

「そういえば、超会議何着ていこう。」

今日の話題はきっと、この一言から始まった。

.

「"ふーん、何着ていくか迷ってるわけだ。"」
「うん。牛沢っていつもどんなの着てる？」

そう、牛沢に、だ。

もちろん、キヨなんかに言えるはずがない。初めて会う相手にまぁ、心を開いている証拠としてそんなのを聞いても良かったのだが。

どうせなら、第一印象は女性の普通の感性である綺麗な人、とか可愛いとか思われたいわけである。

「"あ？俺は普段着に決まってるだろ。逆に何時ものお前でいいんじゃねーの？"」
「うーん、そうかな？ってか私と会ったことあるの3回くらいでしょ。」

少しながらのツッコミを入れ、談笑する。
そういえば、録り溜めがもう減ってきている気がするな。

「"まぁなんでもいいけどよ。とりあえず、仲のいい女友達にでも相談してみろよ。"」
「うん、そうする。ありがと牛沢。」

気にするな、と一言を添えて電話を切る。
去り際的なシーンにこんなことを言うのは優男か否や。

そんな事を考えながらも、一息をつき実況をとりはじめる。

実況していなければ、自分はただのヒトだ。

訳がわからないことを自問自答しつつ、ゲームの電源入れた。