実.況してみた【実.況者】 (ページ26)

今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:19,484 hit

実況26 ページ26

「はぁ、楽しかったな。」

机に頬をついて、黄昏る。

窓から見える人が行き交う景色にはなにも思わないのに、昨日のことを思い出すとブワッと頬が熱くなる。

「…何が楽しかったんすか？」
「何って、もちろん…。っえ？」

頭上を見上げると、目を細めじっとこっちを見る杉島くん。

「…もちろん、何かあったわけですよね？」
「あ、はは。なんにもないよ…？」

ガタリ、と音を立て椅子を下げる。
立ち上がり杉島くんに向き合う。

ギラギラと怪しい光を目に宿わせ私を見る。そんな目、向けないでほしい。

「…ど、どうしたの？いつもと違うよ。」

声をかけても、見るだけで口は開こうとはしなかった。

なんだこの展開。
したことのあるヤンデレ恋愛シュミレーションゲームで見たことのある展開。

このあとはきっと、壁にでも追いやられてドンされるんだろうな。

そんなことを思いながら、目を瞑る。

「…あ、あれ？」

何も来ないため、片目だけ開けてみると口元を手で抑え笑っていた。
堪えんなよ。

「せ、せんぱい、俺に何されると思ってんすか。いきなり目瞑ったんで焦りましたよ。」

「え？だ、だって。」

壁にドンされるんじゃね？

なんて言えなかった。はい。

「いや、何も無い。うん気にしないで。」
「あっ、そっすか。」

いつものような顔に戻り、ヘラヘラとわらっている。
私は一足先に店先の方へ行った。

「あれ、絶対男関係だよね。」

そんなつぶやき、今の私には聞こえるはずもなかった。

*

すみません！先日の告知を消させていただくことになりました。申し訳ありません。

諸事情により、消さねばならなくなってしまいました。
読んでいただいた方、この場でお詫び申し上げます。

引き続き作品をお楽しみください。