実.況してみた【実.況者】 (ページ12)

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実況12 ページ12

「…あぁ。キヨって知ってるか？」

声色的に寝起きであろう彼はきっと二日酔いか何かで今頃困っているだろう。

「…きよ？なにそれ、」

「お、おれ！実況してます！キヨです！お願いシャス！」

言葉を遮られ、急に耳元から聞こえたその声にどこか聞き覚えがあったが、思い出せない。
実況…？キヨ…？やばい、全然わからない。

「え、あ、どうも。それで、キヨ…さんが何かあったの。」

シャカシャカ、とカイロで温まりながら話を待つ。しかし、私は牛沢に話しかけたつもりだったのに携帯からはそのキヨという人の声が聞こえる。

「じ、じつは！俺、柳さんのファンでいっつも実況見てます。
コ、コラボとかって興味ないですか！」

その馬鹿でかい声にうるさい、という気持ちしかわかずあまり内容が入ってこないものの牛沢が後ろでおい、と静止をかけていた。

だが、私なんかにコラボのお誘い？いやいや、今日エイプリルフールかよ((
日付を見ても、今日は4月の中旬。嘘なんかではなさそうだ。
でも、取り敢えず今はゲームするだけで充分だからまたの機会でいっか。自己解決を済ませ、キヨさんに返事を返す。

「んー、今は特に興味ないですね。私はあんまりそういうの考えたことなかったので、またのご機会を。

誘ってくださりありがとうございますね、キヨさん。」

にっこり、微笑むように話し終え電話を切ろうとする。
するとスピーカーからキヨさんが「ちょ、ちょ、！」と焦っていた。

「…はい？まだ何か。」

「えっと、それだったら取り敢えず連絡先だけでも！また話がしたいんで。」

え、なにそれ。とは、思うものの人との付き合いは嫌いではない。まぁ牛沢のお友達っぽいから大丈夫か。
どこからかわからない信頼をおき、了承した。

「いいですよ、連絡先くらいなら。電話番号、牛沢に聞いてください。

それでは。」

切り、すぐにスマホを切った。
ソファに深々と座り直し、ため息をついた。友達が増えるのは嬉しいことだが、俄然やる気が出るわけでもない。

*

お気に入りしてくださった方ありがとうございます。こんな作品を読んでくださる方もありがとうございます。
いつも、書いていて見てくださる人のことを考えると励みになります！
ありがとうございました！これからもご愛読を。

最近ニコニコで蘭たんさんの実況を見ている作者ですが、やっぱり面白いですね。ハム太郎実況が何気好きです(笑)