episode 134 もう離さないで ページ34
ジフンが出て行った部屋で、ただ茫然とするしかなくて。
心に空いた穴は、私が思っていたよりずっと大きいものだった。
微かに残ってるジフンの匂いと腕の感触に、ぎゅっと体を縮める。
ルカ「、、さよなら、、ジフニ、、っ、、ごめんね、、」
愛していた分、さよならが苦しかった。
次から次に零れ落ちる涙と嗚咽を堪えることも出来なくて。
ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ／
こんな時の来客は勘弁してほしい、、
居留守、使っちゃおうかな、、、
「ルカ！、、居るんでしょ？開けてくれない？、、」
ルカ「、テヒョン？、、、今日は来ないでって、、」
ﾃﾋｮﾝ「いいから開けて、、」
渋々開けた玄関前で。テヒョンの大きな胸の中に包まれる。
ﾃﾋｮﾝ「、、泣いてるかもって思ったら、、、居てもたってもいられなくて、、やっぱり来て良かった、、」
テヒョンの顔を見れずに俯いたままだったのに、両手で私の頬に触れた彼は優しく笑っていた。
ﾃﾋｮﾝ「、、今は泣けばいいよ、、俺がついてるから、、、何にも心配いらないよ、」
体中の力が抜けたみたいに、テヒョンの言葉のまま。
全部の感情を吐き出すように泣いた。
これで良かったのか、、
自分で別れを選んだくせに自分でもはっきりわからない。
でもテヒョン、、、私。
今ならわかる気がする。
ミンジョンさんと離れられなかった、あの時のテヒョンの気持ちが。
人を好きになるって、、、こんなにも苦しくて痛いんだって・・・
ルカ「、ごめんテヒョン、、、もう平気、、」
テヒョンの肩に乗せていた顔を起こすと、じっと私を見つめる三白眼の瞳。
ﾃﾋｮﾝ「、、明日もTREASUREの宿舎行くの？、、俺が言えたことじゃないけど、、、ねぇルカ、シンヒヌナにお願いして俺たちの宿舎の仕事に戻してもらおうよ、、」
そうだ、、、こうなってしまった以上、彼らとの仕事はやり辛いのは確かだけど、
ルカ「、、今はまだ彼らの家政婦だから、、、それにBTSの宿舎を勝手に出て行ったのは私だから、、、そんな簡単に戻ったり出来ないよ、、」
ﾃﾋｮﾝ「言ったでしょ？、、皆待ってるって、、それからさ、、、」
また強く抱き寄せられる体は、彼からの言葉をじっと待っていた。
ﾃﾋｮﾝ「ルカ、、、俺とまた一緒にいて欲しい、、、」
ルカ「、うんっ、、テヒョン、、もう離さないで、、」
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作者名：Apple | 作成日時：2022年11月8日 23時
