彼女は傷つかない２［BTS］ (ページ38)

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episode 88 千切れた鎖ページ38

額のくすぐったい感触で目が覚めると、ジフンが微笑みながら私を見つめていた。

ｼﾞﾌﾝ「ごめんヌナ、、起こしちゃったね、」

そう言って体を引き寄せられると、力一杯抱きしめてくれるジフンにほっとしたのも束の間。

一瞬でテヒョンの顔が脳裏をよぎって罪悪感が押し寄せてくる。

私は、、最低だ。

ジフンの優しさも好意も利用して、自分の心の安定ばかり求めて。

ルカ「っごめんね、、ジフニ、、、」

ｼﾞﾌﾝ「ねぇ、、もしかして後悔してる？、」

ルカ「・・・・・」

ｼﾞﾌﾝ「俺は嬉しかったよ、、ヌナとこうなれて本当に、、、今はV先輩の代わりでもいいから、、側にいたい、」

ジフンの真っ直ぐな瞳を見て、尚更胸が痛んだ。

なのに狡い私は、ジフンの温かい手を離したくなかった。

こんな私にテヒョンを責める資格はない。

ジフンの上に乗るように体を押し倒すと、驚いた顔の彼の白い肌がとても綺麗。

ルカ「、ジフニはテヒョンの代わりなんかじゃないよ、、、」

ｼﾞﾌﾝ「、、、え？、」

戸惑いの中に期待が込もった視線に微笑み返す。

もう引き返せなくなる。それでもいいの？

自問を繰り返してる間。

短いながらも一緒に過ごした時間が走馬灯のように頭の中を回る。

しつこいくらい名前を呼んでキスをせがむテヒョン。

くだらない冗談を言っては笑わせようとしてくれたテヒョン。

私の作った料理を美味しいって褒めちぎって食べてくれたテヒョン。

彼の温かい腕の温もり、、、でも。

その温もりをミンジョンさんと共有してたのかと思うと、嫉妬で吐き気がして。

次から次へと溢れ出す愛しい記憶も、全部ずたずたになって消えていく。

こんな醜い感情なんていらない。

、、、さよなら、テヒョン・・・

ルカ「ジフニ、、、私だけを見てくれる？、愛してくれる？」

ｼﾞﾌﾝ「、、うん、当然だよ、、俺はヌナのことだけ見てる、、だから、、、」

私の頬に触れたジフンの指が流れる涙を掬う。

ｼﾞﾌﾝ「我慢せずに泣いていいよ、、、」

ルカ「、、っ、、ごめん、、っ、、私、、、」

目一杯溜まった涙は洪水のように何度も何度も流れる。

ｼﾞﾌﾝ「、、愛してるよ、ルカヌナ、、」

彼に抱きついたまま子供のように泣いた。

テヒョンからもらったネックレスが千切れた事に気がついて、尚更彼との別れを悟りながら。