たなばた ページ23
新しい人も出てきてキリいい上にどうしても七夕ってことでパロディ(?)書きたかったから
すみません……
ーーー
音を立てて窓を叩く大雨が昨日の夜からずっと止まないでいた
「……はぁ」
ああ、今年も彦星様と織姫様は会えないんだろうな
窓の外を眺めながら頬杖をついた、やる気のない顔にたるみの原因なんてそんなもの、もうこの際どうでもいい
こんな雨の日に診療所には客はいなくてガランとしてた
奥さんも先生も、客がいなさすぎて奥の居間でテレビを見てるらしい
「……避難勧告でそう」
それくらい酷くて、外にも歩いてる人はほとんどいなかった
……今日、独歩来る日なんだけどこう酷いと来ないかな
寂しい……ちょっとだけど
「……!」
そんなことを考えてると玄関の自動ドアの開く音とちょっと大きくなった雨の音に驚いて頬杖から顔を離した
見えたやる気のない姿に受付を飛び越えて急いで駆けつけた
「え……傘は?」
「潰れた……」
足元においてあるビニール傘は確かに骨組みがグシャグシャになって髪やらスーツやらから滴り落ちる雨粒は床に水たまりを作った
「会社あったの?」
そんなこともあろうか受付カウンター裏に用意してた大きめのタオルをとりあえず独歩に頭から被せた
「電車止まったから今日は終わった」
「ジャケットもらう」
「ん」
雨に濡れていつもより若干ぼーっとしてる独歩のジャケットはぐっしょり雨水に浸されて重い
「……てかまって、なんで来たの?」
ジャケットをハンガーに掛けて干しながらふと気がついた
会社が終わったなら来なくてもいいはずでは?
「……七夕だから」
のそのそと待合室まできてベンチに腰掛けた独歩はネクタイを緩めた
鎖骨まで開けられたワイシャツにはまだ髪の毛から雫が落ちてた
……色っぽ
そんな姿に見とれててあんまり話を聞いてなかった
「へぇ」
「……七夕だし雨心配だし」
なんか喋ってんのはわかったけどとりあえず暖かいコーヒー入れるのに必死だった
「うん」
「電車止まってるし家帰れないし」
「うん」
「…………キスしていいか?」
「うん…………うん?わ……」
聞き流してても今なんて言ったか怪しくて後振り返ると独歩が目の前にいた
いつの間に
「あ、い、いまなんて?」
聞き間違いだったら恥ずかしいし少し動揺してどもってしまった
上から私を見る独歩はいつもより全然色っぽかった
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失格人間。(プロフ) - おおわああああああぁぁぁ最高ですです!!更新頑張って下さい!!!!!! (2019年4月4日 12時) (レス) id: bb922c1436 (このIDを非表示/違反報告)
ままま(プロフ) - むぎさん» コメントありがとうございます、わああ嬉しいです!!ない脳みそを絞りに絞ってネタ考えます、、今後も何卒あよろしくお願いします (2018年12月3日 12時) (レス) id: 16f3e8df7f (このIDを非表示/違反報告)
むぎ(プロフ) - あの…続編……早く読みたいです…めちゃくちゃ面白かったです!!!まじ独歩最高です! (2018年12月2日 23時) (レス) id: 3e1d248cd9 (このIDを非表示/違反報告)
ミレナ(プロフ) - まままさん» いえそんな!!楽しませてもらってます!!頑張って下さい!! (2018年8月27日 19時) (レス) id: 8824a387c8 (このIDを非表示/違反報告)
ままま(プロフ) - ミレナさん» コメントありがとうございます、私の語彙力が酷いもので申し訳ないです、楽しんでいただけたなら幸いです、今後も何卒よろしくお願いします (2018年8月27日 19時) (レス) id: 16f3e8df7f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ままま | 作者ホームページ:󾮗
作成日時:2018年6月30日 12時