独 ページ7
「ごめんなさい、嫌でしたよね……」
……嫌なわけ
何が起きたか分からなかったから急いで飛び出してきてしまった
さっき触れられた唇がまだ熱くて、チョコの味が一生残ってるんじゃないかってぐらい残ってて
心臓が破裂しそうにうるさい
ずっとさっき急接近してきたAさんのことしか頭になくてあのまま受付にいたら患者さんの目なんて気にせずに理性が崩壊するところだった
そんなことを考えてたら後から愛しい声で呼び捨てにされて
視界が90°傾いて目の前を猛スピードで何かが通り過ぎて
ものすごい破壊音とお腹に回される白い腕に一昨日から栄養が行ってない脳が意識を取り戻した
その時点で何が起こったのかわからないのに力尽きたAさんがものすごい暴言を俺に吐いてるし
それに今は目の前でAさんが俺のために泣いてる
暴言吐いて泣いて、いつもの強気さがまるでない弱々しい
多分これがAさんの素だ
やっぱりこの人は一二三に似てる
なのに俺の命を心配して……
「はぁ、もう、ちゃんとエネルギーは取ってくださいほら」
まだ心配してくれる
さっきまで泣いてたくせにすぐに立ち上がるとホコリのついた受付の制服を払って俺に手を伸ばした
Aさんが立って、初めて気がついたけど膝から血がダバダバでてる
俺のせいで……俺のせいでAさんが負った傷
「……足、俺のせいですよね」
「……あぁ、いやこれは……」
血が流れてくるぶしまでしかない靴下に到達しようとしてさすがにやばいと思って咄嗟にハンカチで受け止めた
「ちょ、何してるんですか」
片手でちょっと足を持ち上げて、もう片方で拭いて
別にハンカチに血がつくのに抵抗はなかった
顔を上げるとスカートを見えないように教えて顔を真っ赤にして俺の頭を押してるAさんに正直こんな状況だけど興奮しか覚えなかった
「……さっきの仕返しです」
すこし意地悪したい気分……
「そんなに嫌だったんですか、ほんと申し訳ないですからあの、せめてこんな人目につきそうなとこで……くすぐったいんですけど」
膝裏に回されてる俺の手を自分の膝なんて気にかけずにふくらはぎと太ももではさみ殺そうとしてきた
「ああまた……ちょっと、血が止まんないんでやめてもらっていいすか」
「じゃその手どけろよ!」
作った顔なんて忘れて顔を真っ赤にして叫ばれると同時に
パキィと関節がなる音がして手に激痛が走った
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失格人間。(プロフ) - おおわああああああぁぁぁ最高ですです!!更新頑張って下さい!!!!!! (2019年4月4日 12時) (レス) id: bb922c1436 (このIDを非表示/違反報告)
ままま(プロフ) - むぎさん» コメントありがとうございます、わああ嬉しいです!!ない脳みそを絞りに絞ってネタ考えます、、今後も何卒あよろしくお願いします (2018年12月3日 12時) (レス) id: 16f3e8df7f (このIDを非表示/違反報告)
むぎ(プロフ) - あの…続編……早く読みたいです…めちゃくちゃ面白かったです!!!まじ独歩最高です! (2018年12月2日 23時) (レス) id: 3e1d248cd9 (このIDを非表示/違反報告)
ミレナ(プロフ) - まままさん» いえそんな!!楽しませてもらってます!!頑張って下さい!! (2018年8月27日 19時) (レス) id: 8824a387c8 (このIDを非表示/違反報告)
ままま(プロフ) - ミレナさん» コメントありがとうございます、私の語彙力が酷いもので申し訳ないです、楽しんでいただけたなら幸いです、今後も何卒よろしくお願いします (2018年8月27日 19時) (レス) id: 16f3e8df7f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ままま | 作者ホームページ:󾮗
作成日時:2018年6月30日 12時