年下男子を拾いました

年下 17 ページ19

雅「………」

随分と格好悪い姿を見せてしまった…シャワーを浴びながら、俺は先程の出来事を思い出す。

赤面して逃げるとか行動が女じゃねぇか、結構恥ずかしい…この事を今直ぐにでも綺麗に忘れてしまいたい

雅「……はぁ…」

シャワーから出てくるお湯が温かくて気持ち良い…髪と身体を洗い流すと、俺はシャワーを止めて風呂場から出る。

雅「………」

脱衣所で濡れた髪を拭きながら、昼間の着信と自分の『秘密』の事を考えた…話していない事全てを、話してしまおうか?あの人に…

だけど…話した上であの人に受け入れてもらえるだろうか?そんな不安が頭を過ぎる、このまま話さずに『猫』として与えられた居場所に居続けた方が良いんじゃないだろうか。

雅「……っ…」

あの人は俺を捨てないと言ってくれたけど、それは…あの人が『秘密』を知らないから言える台詞なんだ…

捨てられたくない…まだ、俺は此処にいたい…居心地の良い此の場所に…『猫』としてでも良いから、あの人の傍に居たい

雅「あの人が『秘密』を知ったら、きっと俺は捨てられる…」

だから話さないし、話したくない…この居場所を失いたくないから…弱いから何も話さない…脱衣所のドアを開けると俺は、リビングにある椅子に座っているあの人の背中に抱きついた。

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