・ ページ17
五条「特級呪術師への昇級、おめでとう」
「…反対してたくせに。そういうのはいらないです」
五条「うん。そうだね。反対してた。おめでとうなんて思っちゃいない」
「理由が聞きたいです。先生、私のこと『強くなった』って言ってたのは…なんだったんですか」
Aの手に力が入っているのがわかる。
その白い手を、僕はそっと握った。
五条「正直に言う」
「…はい」
五条「Aが特級呪術師のレベルに達してることは、ずっと前から分かってた」
「………え？」
言ってる意味わかんないよねえ。
僕も自分がよくわかんないのよ。
でも、そんなよくわからないものでAをあの場で傷つけてしまったのは事実だ。
「そう思ってるならなんで…？」
僕は天を仰ぐ。
ふーーー、と深く息を吐いて、彼女の頭を撫でた。
五条「一級になるのも僕が止めてたの、知ってる？」
「え、知らないです…」
五条「一級になったら戦う相手は一級か特級。特級になったら戦う相手はほぼ特級。たまに援護で一級や二級の相手をすることはあっても、ほぼ１人で特級の相手をしなくちゃいけない」
「私を信じられなかった？」
五条「違う」
伝わらないよな、ごめんな。
言語化できないこの感情を、僕も何て言ったらいいかわからないんだ。
五条「大切なんだよ、Aが。危険な目に合ってほしくない」
「先生…」
五条「ああーーもう。ナイスガイでいさせてくれよ」
自分の髪を掻き毟る。Aは少し笑って、僕の手を握り返した。
「先生、それって、…私が思ってるよりも、先生は私を大切に思ってるって解釈しても…いいですか？」
ーーは？
キレそう。
なにこの可愛い生き物。
だから特級なんて昇級させたくなかったんだよ。
これから先、ずっと僕の側で、ずっと生徒のようにいて欲しかった。
言語化できないこの感情を、世間一般的になんて表現するかくらい、知ってるよ。
でも僕は、イカれた呪術師だから。
自分でもまあまあ痛い大人だなと思いつつも、素直になれないんだよね。この年になっちゃうと。
五条「うん、そのとぉーーーり」
「んもお、ふざけないでくださいよ」
五条「無理だよ、これが僕だし」
「ふふ、知ってます」
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 448人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
佐々(プロフ) - i☆Risさん» 嬉しいコメントありがとうございます！そうなんですー、カッコいい先生に会いたくて…！（笑）アホな先生も好きですけど(^^)また読んでいただければ嬉しいです。 (2021年1月2日 16時) (
レス) id: f2993908b2 (このIDを非表示/違反報告)
i☆Ris(プロフ) - 一気に読んでしまいました！面白いです(゜∇^d)!!五条先生カッコいいしキュンキュンします〜☆彡夢主になりたい〜(笑)楽しみにしてます頑張って下さいね！ (2021年1月2日 7時) (レス) id: aed115f5b0 (このIDを非表示/違反報告)
佐々(プロフ) - ミラさん» コメントありがとうございます！夢なのに現実みを意識してしまいました（ ; ; ）笑 (2020年12月31日 16時) (レス) id: f2993908b2 (このIDを非表示/違反報告)
ミラ(プロフ) - 見ていてキュンキュンする2人ですね！！どちらかと言えば先生に振り回されてる夢主ちゃんですね笑笑 たまには振り回す側も見てみたい気持ちもします(o^^o)更新頑張ってください！ (2020年12月30日 21時) (レス) id: 23e9cd344d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：佐々 | 作成日時：2020年12月20日 19時
