盲目の家主さん (ページ10)

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貴女side.

私は呪いの事を“型だけ残った心”と言った

彼等は、哀れな子供達だ。心の型だけ作られて中に何も流し込まれなかった。それを必死に探しているんだよ

中身になるモノ。人間の持っている心の水を

『呪いはたった１つの願いを叶えようとする。それは本能でやっている。純粋だからこそ、恐ろしい、、、人の子の様に救う事ができない』

「、、、」

『分かるかい？彼等は自分のやっている事に悪意があると思っていないんだ。人の子が貪欲に何かを探すように、呪いも探しているだけ』

私達が道を指し示すことすら出来ないんだよ

中身の何かが無いと、きちんと働いてくれないんだ。指し示したその道を、進もうと思ってくれない

、、、祓うしか方法がない

「呪いとやらは、絶滅しないのか」

『呪いをこの理から消したいのであれば、人の子も消えてしまうよ。呪いの根元は人の子だからね』

「、、、」

黙ってしまった人の子

重くなった空気は、先程の奇妙な空気よりも冷たく、居心地の悪い物だった。暗闇の中でも、それは分かる

落ち込んでいるんだろう。前の人の子のように

そう考えていたが、彼は意外な反応を見せた

「やはり人間は醜いな。自分の心から生まれた無機質な物で自分を殺そうとしている」

『？、、君はこれを醜いと言うんだね』

「醜い以外に何がある？だがその99%の醜く貪欲な心が1%の美を生み出しているのも事実だ」

、、、面白いことを言う子だ

少し驚いていると、彼はｸｸｯと笑った後にこう言った。“それは神も同じだろう”と

はて、、神もそうなのか

「お前等の場合は99%の美が1%の残酷を生み出している。俺達の方が汚く見えるが、その1%は多くの人間を地獄に堕としているんだゾ」

知ってたか？そう言い茶を啜った人の子

、、、考えことも無かった。願いを叶えていれば人の子はこの世界が美しいといったから

願いを叶えて、地獄に堕ちる人の子もいるんだ

「無知は罪だ。だが、それは誰も教えてはくれない。無知の罪は周りが作り出すんだよ」

『知らない方が幸せな事もあるんだろう？』

「あぁ、そうだ。だが“それ”を知っておかなければ、無知の人間は知らなくても良い事を知りたがる。俺もそうだ」

、、、、君も？

人の子はフッと笑い、こう言った

「俺だけじゃない。お前も、他の人間もだ」

「＿＿＿＿全員、無知で罪深い生物なんだよ」