盲目の家主さん (ページ4)

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グルッペンside.

「、、、！！！！」

何時もの弾むようなベットではなく、固いが柔らかい謎の敷物の上で目を覚ました

ｯ、、、此処は、俺は？

辺りを見渡せば、木製で出来た部屋、そして風通しの良い丸い窓が目に入る

「、、、自国ではない、と」

ひとらんの国の風習に似てはいるが、やはり何か違うな。というかあの国は滅びた

なら俺は何処に誘拐された？

俺を拐いたい人間なんぞ何万も居るが、此処まで何も拘束をしてこないとなると、本当に誘拐なのか？

『何か考え事かい？人の子』

「そうだ、、、ｯ！？」

『そうなんだ、大変だね』

誰だｯ、、！！！

突如現れ、静かに微笑む女性

恐らく此処の家主だろう。
建物と女性の服装の雰囲気が似ている

俺が警戒心を強める一方、彼女は俺を見ながら落ち着いた態度で質問してきた

『人の子が私の前に現れるのは久方ぶりだ。
どうして君はこんな場所に来たんだい？』

「？、、貴殿が連れてきたのでは無いのか」

『、、、君は願い事を叶えに来たんじゃ』

願い事？

俺は無意識に首を傾げた。それを見た彼女は何故か俺以上に混乱している

、、、どちらも勘違いをしているようだ

「wrwrd国の総統、グルッペン・フューラー。
この名前に聞き覚えは？」

『、、、、無い』

「では、此処は何処だ？」

彼女はもう理解したのか素早くこう答えた。
“ニホン”と。残念な事に俺もその国を知らない

、、、こんな事もあるんだな

俺の予想では、此処は

『人の子は、、、別の理の人間だね？』

「恐らく、そうだろう。すまない、貴殿が俺を誘拐したのではないかと疑ってしまった」

『平気さ、今回は仕方の無い事だ』

入り口の前で座り込み、また微笑んだ彼女

逆に其方は警戒していなかったのか。
仮にも見知らぬ男が勝手に家に入ってきたのに

俺達だったら直ぐ様殺されるか拷問部屋行きだ

『色々あって疲れただろう？今飲み物を持ってくるから待っていてね』

「度々、申し訳ない」

『良いや、此方としても久方ぶりに話し相手が居て嬉しいよ』

そう言い微笑む彼女を見て、残っていた警戒心もほぼゼロになってしまった

まぁ、此方は助けてもらった身だからな

早々に出ていかなければ迷惑だろうが、俺としても見知らぬ地で一人なのは怖い

「貴方の名前は？」

『A、ただのAだよ』

よろしくね、人の子