色は思案の外 - 2 - (ページ38)

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和也くんは悲しそうな表情で私を優しく抱きしめた。

その顔を見て、罪悪感を覚えた。

和也くんのことは本当に大好きだけど、たまに誠也の顔が浮かんでしまうから。

「…Aちゃん、ホンマに大好き」

「うん、私も大好きだよ」

「Aちゃん、美味しそうな匂いする」

私の首に顔を埋めてクンクンしながら言うから、少しくすぐったくて。

「あ、…ご飯作ってみたの、もう冷めちゃってるね」

「食べたい、俺が温め直すな」

和也くんが温め直してくれたご飯をふたりで食べた。

美味しい美味しいってニコニコしながらいっぱい食べてくれて、たくさん作った料理はあっという間に無くなった。

一緒に食器を片して、ソファでゴロゴロして、和也くんの肩に頭を預けていると、少し眠くなってくる。

「Aちゃん？眠いなら先お風呂入り？」

ふわふわした口調で言う和也くん、そしてそれに加えて手を握ったり摩ってきたりするから、余計に眠気を誘う。

「一緒に入る？」

「…一人で入る」

悪戯な表情で言うから私は恥ずかしくなってソファから立ち上がった。

恥ずかしげもなくそんなこと言うなんて、今の若い子ってなんでこんなに積極的なの、なんて言ったらまだ若いやろって怒られそう。

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