No.8 ページ9
藤ヶ谷先生side
初めて担任として持ったクラス
挨拶をするだけで騒がしくなる女の子達
前の学校でもそうだった
俺に興味を持たない子はいない
そう思ってた
でもこのクラスにはいたんだ。俺に興味を持たない子
自己紹介をしてる時ずっと窓の外を見てる
帰るときも俺に見向きもせず、一直線に帰ろうとしていた
それが珍しくてずっと目で追ってたら帰り際にチラッと後ろ向いたその子
その子は目が合った瞬間スッと体を背けて帰っていった
今まで出会った中で１番可愛い
もちろん可愛い子はいっぱい出会った
でもその子は今までの女達となにか違う
周りの女の子達と話してる間もあの子が頭から離れなかった
『先生バイバーーイ！！』
藤「バイバイ」
みんなが帰ったのを確認してため息をつく
初日から疲れる
名簿を手に取り、あの子の名前を見つける
藤「玉井A……か」
Aちゃんの机をふと見たら携帯がポツンと置いてあった
忘れたのか？
もし、忘れてたら取りにくるはず
Aちゃんの携帯を持ってわざと鍵を閉めて待っていた
こうすれば、Aちゃんと話せるだろ？
なんでこんな事をするか分からない
でも気になってしょうがないんだ
しばらく待ってたら走ってきたAちゃん
そしてドアを開けようとする
鍵をしめたから開くはずないんだけど(笑)
ドアを開けるのを諦めて窓を開けて中に入っていった
予想外の事をするAちゃんに驚きながらも声を掛けずにその様子を伺う
携帯がなくておどおどしてる姿があまりにも可愛いくて思わず声を掛けた
俺の手から携帯を取ろうとしてるけどその手を避けて取らさせないようにする
その姿も可愛いくて携帯を返してあげると睨まれた
普通の子ならまず、俺が現れた時点で顔を赤くするのにAちゃんは無表情
ますます、気になってきた
“興味を持たないの？"
そう聞いてみたらあっさり興味ないって言われた
こんな子滅多にいない
おもしろい
絶対にAちゃんに俺の事を意識させてやろう
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作者名：マーガレット | 作成日時：2015年12月24日 19時
