No.44 ページ45
藤「これで投げてみて」
バスケットボールをゴール目掛けて投げると
綺麗な弧を描いて吸い込まれるようにネットに入った
「おぉー」
プロの人と同じような光景だったから思わず嬉しくなって声を上げてしまう
ちょっと興味を持った私はドリブルやパスなどを教えてもらい、生まれて初めてバスケを好きになる瞬間だった
藤「じゃ、１対１のゲームしようよ」
「いいですよ。負けたらなにか奢って下さいね」
藤「Aが負けたら1つ言う事聞いてよ？」
「出来ることなら」
ゴールに先に入れた方が勝ち
特別ルールとして私は３回で先生が５回
バスケ特有のルールなんて関係なしに体育館の半分の広さのコートでやる
「じゃぁ、スタート」
・
・
「はぁ……はぁ……はぁ……」
藤「息切れしすぎだろ(笑)」
「せん……せいだっ…て」
藤「Aほどじゃないし。こんなんで息切れとか体力ないな。ほんとに高３か？」
「な！失礼な。ピッチピチの高校３年生ですー」
藤「実は中身はおばさんだったりして(笑)」
「だから違います。そんな事より言う事ってなんですか？」
１回もゴールに入れられることも出来ず、見事に負けてしまった私は
先生の言う事を聞かなければならないのだ
腑に落ちないけどルールはルールなのでちゃんと聞く
藤「じゃあ、タメ口で話してよ。敬語とか好きじゃないから」
「それだけでいいんですか？」
藤「もっと凄い事お願いしちゃってもいいの？」
どんどん近くなる顔が鼻に当たるか当たらないかの距離まできて止まった
ち、近い。近すぎるぞおい。
ドキドキする胸を宥めて顔を背ける
「いや、タメ口でお願いします」
藤「ふふ、冗談だよ。AってＭだな」
「Ｎです」
藤「あれ、タメ口じゃないの？」
「あ、そうでした……じゃくてそうだった」
藤「そろそろ、戻るか。バス来る頃だし」
「うん。…あ、再来週の月曜日から３日間軽音部の合宿があるんだけど、先生も来てね。一応顧問なんだし」
藤「あー、分かった。空けとくよ」
場所、日時などを教えてバスに乗り込み、家に帰った
また再来週逢えると思うと胸が高鳴る
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作者名：マーガレット | 作成日時：2015年12月24日 19時
