ワケありPRINCESS (ページ7)

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藤ヶ谷さんって言うんだ

苗字からして金持ってそうな名前

ぎゃくに花園の方がいっぱいいそうなのに

「ねぇ、藤ヶ谷さん。タメ語で話していいし私の事も普通に呼び捨てでも言っていいし何より普通の自然体な藤ヶ谷さんで私と接して？なんか距離がある感じで嫌なの」

藤「いや、しかし……」

「私は花園麗華じゃなくて夢咲A。藤ヶ谷さんより地位だって下だし庶民だし権利なんてないしお金も───────」

藤「もういいよ。これ以上自分を悪く言うの止めて欲しい。Aの気持ち分かったから、ね？」

「うぅ……藤ヶ谷さん優しすぎ！」

自分で言ってる事が虚しくて情けなくて涙が出てきそうな私を見抜いてこれ以上言うのを止めるなんてさすが執事

しかも今名前呼び捨てだったしタメ語だったしなんか親近感湧く

ということで本題に入ろうではないか

「あのさ、私が通ってる高校にはもう行けなくなっちゃうの？」

藤「もう転校手続き終わってるから。Aには麗華様が行っている高校に行ってもらう事になってる」

「まさか、あのめちゃくちゃお金持ちの学校？」

藤「うん、そのまさか笑」

「絶対私なんか無理だよ。私頭良くないしみんな知らないし」

藤「まぁ、大丈夫だよ。俺も一応執事なんでお嬢様にはずっと付いていないといけないっていう義務なんで」

「藤ヶ谷さんが居るなら……」

藤「そうそう、俺がいるから大丈夫。こう見えても優秀な執事なんで」

「それ自分で言っちゃう？」

藤「あ、そっか笑」

１人で笑っているけどほんとこの先が心配

あの学校絶対いじめとかありそうだしみんな性格悪そうだし。あのニコニコ笑顔の人の裏の顔とかヤバそう。特に女子とか

でもそんな事じゃなくてバレそうなのが１番の心配

絶対花園家の人達はなんでも出来る完璧集団ぽいもん。その代わりが私だなんて……

高校１年生の頭で一生懸命に考えているのに藤ヶ谷さんは面白そうに私の姿を見て笑っててなんかムカつく

そしたらドアがノックされて部屋に入ってきた可愛いメイド服を身にまとったメイドさん

『夕食のご準備が出来ました』

「ほんとに!?もう今日色々ありすぎてお腹ペコペコだったの」

藤「A様行きましょうか」

「ふふ、はーい」