花の蕾 〜過去編〜 ページ28
とある山奥の村
村人「おーい、臣はいるか！」
貴「はい」
村人「何をしていた？」
貴「水を川へ汲みに…」
これが私
今怒っているのは私の主
親も居ないみなしごの私を世話してくれる
人間だ
子供1「あ！臣がいるぞー！」
子供2「みなしごの臣だー！汚ねぇ！」
貴「………」
私はあえて応えない
暇じゃないから
ガッ
貴「！？」
_____石？
子供1「村全体に雇われてるんだろ？無視するなー」
子供2「そうだそうだー！」
あぁ、面倒臭い
また怒られる
いつまでいい子ぶってたらいいんだ
貴「川に、行こ…」
.
.
.
.
.
.
.
貴「？」
めずらしい
川に誰か居る
？「貴方は、誰ですか？」
私より少し大きいぐらいだろうか
とても痩せて見える
貴「私は＿＿＿＿臣」
もしも村の奴なら分かるだろう
私はあの子供が言ってたように
村に雇われてるのだから…
？「……私は丁です」
＿＿＿＿＿＿丁？
けいご？と言うものだろうか
何故そんな言葉づかいを私にするのだろう
何故か不意に思った
この人も、私と同じだと
貴「丁も、そこの村の人？」
丁「はい。みなしごの身分です」
ほら____
聞いたことがある
村のどこかに
私と同じような子が居ると
貴「私の…とも、だちに、なって？」
おどろいた
信じられない
まさか、こんな言葉が出ると思わなかった
丁も、びっくりしてる
丁「私が、貴方のともだち？」
貴「うん…」
私には
自由など望んでも届かない
それならば
少しぐらいの願いを叶えたい
いつもいつも
村の子が羨ましかった
楽しく遊んでる姿
私だって10にも満たない幼子
こんな考え方は老人みたいだ
一人で草花を摘んだり
石を積んで遊んだり
川で水浴びしたり
一人じゃつまらない
丁「私などで、よければ」
貴「…………ぇ」
丁「私も村の子が羨ましいのです。一人で遊んでも、いえ。遊ぶことなど、そうありませんでした…」
純粋に嬉しかった
絶対断られると思ったから
昔、今よりも小さいとき試した
『仲間に入れて』 と
その後、私を蔑むような言葉が浴びせられた
幼く、その言葉の意味がわからなくとも
私の生を侮辱されたことは分かった
その夜は
悔しくてくやしくて泣いた
もう二度と泣かないと心に決めた
貴「あり、が、とう…」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 585人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「女主」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
かるぅう - 嫌なんか伝わんないけど鬼灯と夢主の絆が最高に良かった。 (2022年11月6日 7時) (
レス) @page34 id: 92611262e6 (このIDを非表示/違反報告)
蒼(プロフ) - 揃いも揃って二人とも毒舌な事で…(´・ω・｀) (2019年1月17日 21時) (レス) id: 03f53390f0 (このIDを非表示/違反報告)
L(プロフ) - 主人公のイラストが綺麗ですね。鬼灯様にそっくりなのがよくわかりました。手などが鬼灯様より細く描かれていて女性という雰囲気もあってとても良いと思いました。私はこのイラスト、好みです。お話も面白かったです。 (2016年8月15日 22時) (レス) id: 82d650687f (このIDを非表示/違反報告)
☆ラエリア☆(プロフ) - 巫女染桜さん» 返信遅くなって申し訳ありません！ありがとうございます！そう言って頂けるととても励みになります！ (2016年5月10日 23時) (レス) id: 83f611aded (このIDを非表示/違反報告)
巫女染桜 - このお話大好きです。読んでいるうちに涙が出てきます(私だけなのかもすれません)これからも頑張ってください！ (2015年5月20日 2時) (レス) id: 3167b7db5a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：☆ラエリア☆ | 作成日時：2014年4月27日 15時
