検索窓
今日:10 hit、昨日:11 hit、合計:11,849 hit

  ページ23

屋根に鎮座して、全集中・常中を会得しようとしている竈門少年がふと、視界に映った。




そろそろ蝶屋敷をお暇して、屋敷に戻ろうとしていた時だったから、どうせなら挨拶して帰ろうと、そう思ったのだ。





『竈門少年。』




「うわ!Aさん!いつから其処に!!」




『全集中・常中はどう。』





「それが中々難しくて…。でも、精進します!」





『辛いと思うから辛いの。想像して。あなたはいま、普通に呼吸をしている。』





そう告げながら、竈門少年の額に人差し指を当てる。





『集中するの。普段の呼吸より、質の高さを。全身に十分すぎるほど酸素が行き渡ってる事が、貴方にとっては通常。』






そう助言をしただけで、先刻より三分程出来る時間が伸びた。きっと、物覚えのいい子なんだろう。






「Aさん。泣いて、ますか。」





『…それは、どういう意味?』




「あ、いや!すみません!口をついて出てしまって!」






『…私はもう、辛くも苦しくも哀しくも虚しくもない。代わりに嬉しくも恋しくも愛しくも楽しくもない。只目的を遂行するためだけに生きてるの。言わば絡繰り…否、操り人形よ。』




「それは、哀しくないんですか。感情豊かだった頃が、寂しくはないんですか。」




『…?ええ。なにも辛くない。』






あの頃の方が辛かった。あの頃の方が虚しかった。あの夢を見てから。





「Aさん、柱に一般隊士がいえたことじゃないけれど、もっと自分を好いてあげてください。」









『…。気にかけておくわ。』

 →← 



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.0/10 (27 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
32人がお気に入り
設定タグ:鬼滅の刃 , 時透無一郎   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

うみねこ - 今気づきました!!汗ご指摘ありがとうございます。 (2020年4月20日 17時) (レス) id: 00b8e99048 (このIDを非表示/違反報告)
雪猫(プロフ) - 突然すみません!こちら、鬼滅の刃の作品なので、オリジナルフラグを外さないと違反作品となってしまいますので、外した方がいいですよ!これからも更新頑張ってください! (2020年4月16日 11時) (レス) id: 66ded389aa (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:うみねこ | 作者ホームページ:無いです  
作成日時:2020年1月8日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。