No.46：人の優しさ ページ7
クラピカが出ていってから数分後、彼はレオリオを連れて戻ってきた。
レオリオは片手に鞄を持って、空いた方の手で目を擦っている。
「あ……レオリオ。来てくれてありがと。
ごめんね、寝てたのに」
「気にすんなって！それに、Aには一次での借りがあるしな」
もう夜も遅いし試験で疲れていたはずなのに、ここに来てくれたことにお礼を言うと、レオリオは僕を安心させるようにニカッと笑った。
＊
「それにしてもこんな傷……何したらできるんだ？」
バッグから数種類の薬を取り出し、傷の種類によって塗り分けながら、レオリオが問う。
「ちょっと家庭の事情ってやつで」
「おいお前まさか親に……」
「大丈夫、レオリオが想像してるのとは違うから」
この傷が出来たのはハンター試験を受けに来る前日まで、僕が拷問訓練を受けていたのが理由なんだけど、そんなことを正直に話してしまえば絶対に怪しまれるだろうから言わないでおこう。
この二人に僕の正体がばれてしまえば、折角暑苦しい思いをしてまでフードを被っていた意味がなくなってしまうから。
あ、でも今こうして顔見せてるから結局意味ないんじゃ……。
「これでよし、と。さ、終わったぜ！
動かしにくかったりとかないか？」
「大丈夫。寧ろ包帯巻いてるなんて忘れちゃいそうだよ」
なんて考えているうちに、レオリオは僕の手当てを済ませてしまった。その手際のよさと言ったらもう、オルクス家の執事たちに匹敵するぐらいだった。
「二人ともほんとにありがとね。助かったよ」
自分の時間を潰してまで手当てしてくれたレオリオと初めに快くお願いを聞き入れてくれたクラピカに向けてのお礼。
「また怪我したら言えよ。俺が手当てしてやっからさ」
「礼には及ばないさ」
それに対して笑顔で返してくれる二人の優しさに、心が暖かくなった。
家族以外の人間を信じるなってお母様には言われてきたけれど、外の世界にはこんなにいい人がいるじゃないか。
「いやー、それにしてもAが女だったとはなー。クラピカから聞いてびっくりしたぜ」
「ちょっとワケあって……。
そういえばクラピカは、あんまり驚かなかったよね？」
「実は薄々感づいてはいたんだ。Aを見ていると、どうも不思議な点が多くてな」
道具も薬も全部片付けて、二人が休んでいた場所に僕も着いていく。近くにくるといい、ってクラピカが誘ってくれたのだ。
キッカケはともあれ、二人と打ち解けられてよかった。
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えるふぃ(プロフ) - 冷凍みかんさん» 一年前のコメントに返信失礼します。面白いって言っていただけて感動です。頑張って書いたのが報われます…。応援ありがとうございます！ (2018年8月30日 15時) (
レス) id: 2df896d132 (このIDを非表示/違反報告)
冷凍みかん(プロフ) - すごく面白くて、読んでて楽しかったです！続き頑張ってください！ (2017年8月19日 18時) (レス) id: 86c7d5dde1 (このIDを非表示/違反報告)
えるふぃ(プロフ) - シロさん» 返信遅れてました(´・ω・`)H×Hは私の中でもお気に入りの漫画なので書いてて楽しいです(*´ω｀*) (2016年11月12日 0時) (レス) id: d0667a2ad3 (このIDを非表示/違反報告)
えるふぃ(プロフ) - フェイ・ルーンさん» 返信遅れてすみません。ワクワクしますか！それは嬉しい褒め言葉です(*´ω｀*)自分でも話を考えてるときはワクワクします！ (2016年11月12日 0時) (レス) id: d0667a2ad3 (このIDを非表示/違反報告)
えるふぃ(プロフ) - モッケさん» 返信遅れて申し訳ないです。面白いといっていただけてうれしいです！更新は中々出来なかったですが頑張ります(*´ω｀*) (2016年11月12日 0時) (レス) id: d0667a2ad3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えるふぃ | 作成日時：2016年3月27日 19時
