No.75：洗脳教育 ページ38
ギタラクルは暗殺一家として名高いゾルディックの家系の者であると。そしてゾルディック家とオルクス家は当主同士の仲が良く、お互いに協力して仕事をこなすこともあったと。時々家同士の仲を取り持つため、子供たちがそれぞれの家に遊びに遊びに行っていたと。
僕もゾルディック家を訪れたことがあるらしい。それも一度や二度ではなく、数え切れないほど何度も。
「そういうわけでオレはAを殺せない。お袋に怒られるからね。」
自分の記憶に穴があることに気付いてはいたが、実際に自分の知らない記憶を持つ相手に会ってみると、とても平常心を保ってはいられなかった。
ギタラクルは話し合えると、くるりと身体を反転させキルアの方へ向き直る。彼は資格を得るためにまずさハンター試験に合格して、それが終わったら邪魔者であるゴンを殺すと言い放った。
それを止めるには自分を倒すしかないと。
対するキルアは顔面蒼白だった。ギタラクルがキルアに対して邪悪なオーラを飛ばしてるから。念能力に対抗できる力を持っているならともかく、キルアは僕の念能力や戦闘時に僕が念のオーラを纏っていても全く気付く様子がなかった。だから彼はまだ念能力を習得していないはずだ。そんな無防備な状態でギタラクルのオーラを浴び続けて平気でいられるはずがなかった。
じりじりとギタラクルがキルアとの距離をつめると、キルアは反射的に後ろに下がろうとする。
「動くな。」
ギタラクルはそんなキルアの本能的な行動さえも許さなかった。一歩でも動けば戦闘開始の合図とする、自分の手がキルアに触れても戦闘を開始すると脅した。
家族で暗殺業を営む場合、仕事で忙しい両親の代わりに長男が下の弟妹たちの教育をすることが多い。
例に漏れず僕も戦闘の基礎から暗殺技術までほとんどを兄に教わっている。そして大抵の場合、弟妹は兄に逆らえない。時には力で時には洗脳紛いの方法で、従順に従う人形でいるように、兄から教え込まれているから。
キルアは完全に恐怖に支配されていた。外部の言葉など彼の耳には届いていなかった。
「まいった。オレの……負けだよ。」
戦わなければゴンを助けられないと知っていても、キルアはそれを拒否した。それほどまでに彼の中でギタラクルの存在が恐ろしかったのだと思う。
キルアはギタラクルの言葉を黙って聞いていた。友達を作る資格がない、ただ人形のように仕事をこなせと言われても微動だにしない。
まるで抜け殻のようだった。
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えるふぃ(プロフ) - 冷凍みかんさん» 一年前のコメントに返信失礼します。面白いって言っていただけて感動です。頑張って書いたのが報われます…。応援ありがとうございます！ (2018年8月30日 15時) (
レス) id: 2df896d132 (このIDを非表示/違反報告)
冷凍みかん(プロフ) - すごく面白くて、読んでて楽しかったです！続き頑張ってください！ (2017年8月19日 18時) (レス) id: 86c7d5dde1 (このIDを非表示/違反報告)
えるふぃ(プロフ) - シロさん» 返信遅れてました(´・ω・`)H×Hは私の中でもお気に入りの漫画なので書いてて楽しいです(*´ω｀*) (2016年11月12日 0時) (レス) id: d0667a2ad3 (このIDを非表示/違反報告)
えるふぃ(プロフ) - フェイ・ルーンさん» 返信遅れてすみません。ワクワクしますか！それは嬉しい褒め言葉です(*´ω｀*)自分でも話を考えてるときはワクワクします！ (2016年11月12日 0時) (レス) id: d0667a2ad3 (このIDを非表示/違反報告)
えるふぃ(プロフ) - モッケさん» 返信遅れて申し訳ないです。面白いといっていただけてうれしいです！更新は中々出来なかったですが頑張ります(*´ω｀*) (2016年11月12日 0時) (レス) id: d0667a2ad3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えるふぃ | 作成日時：2016年3月27日 19時
