No.76：不合格 ページ39
レオリオやクラピカがいくら話しかけても、キルアは微動だにしなかった。そして僕もキルアに声をかけることができなかった。
ギタラクルに、これ以上邪魔するようなら僕の言動すべてをオルクスに報告するよ、なんて脅されたからだ。
それにいくら幼かったとはいえ、何度も一緒に遊んだキルアのことを全く覚えていなかった最低な僕が、何を言ってもなんの慰めにもならないだろうと勝手に自己完結して。
そして次の試合で事件は起こった。
延期された第７試合、ボドロ対レオリオの試合開始の合図と同時に、キルアがボドロの心臓を貫いたのだ。
いくら自分の対戦相手ではないといえ、受験者を殺してしまったキルアは不合格を言い渡され会場をさっていった。
最後まで一言も口を聞かないまま。
同時に一人は合格者が出た時点で残りの受験者は自動的に合格となったので今は行動に集められ、今後ハンターとして活動していく上でのことを説明する場が設けられた。始めにネテロさんから話があるそうで、彼が壇上に上がった。
ネテロさんが話し始めようと息を吸い込んだその時、合格者の一部がそれを遮った。一部とはクラピカとレオリオで、二人はキルアの不合格は不当だという異議を唱える。要約すると、キルアは自分の意思で人を殺したわけではない。操られていたのだから、失格にするべきではないとのこと。
レオリオなんて、不合格になるのはキルアじゃなくて自分の方なんじゃないか？と自分の合格を脅かしてまでキルアの失格を無効にしようと動いている。
議論が白熱する中、講堂の後ろの扉が激しい音をたてて開かれた。
そこに立っていたのはゴンで、ゴンは何も言わず、ただ険しい顔をして部屋の中に入ってきた。真っ直ぐ一番壇上に近い位置に座る人物を見つめて、脇目も振らずに歩き出す。レオリオの静止の声を無視して、ゴンはギタラクルが座る椅子の横で足を止めた。
「キルアにあやまれ。」
そしてゴンが隣に来たのにも関わらず、ずっと前を向き続けるギタラクルに声をかけた。
ギタラクルはそんなゴンの言葉に、心底意味が分からないというふうにゴンの言葉をいなし続けた。ゴンが、「お前に兄貴の資格なんてない」と言っても表情一つ変えず、ゴンに視線を向けることなく。
その様子にゴンが動いた。
ギタラクルの右手を掴み、強引に朝から立ち上がらせるように引いたのだ。
ギタラクルの身体は宙に浮き、ゴンの目の前まで引っ張り出された。
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えるふぃ(プロフ) - 冷凍みかんさん» 一年前のコメントに返信失礼します。面白いって言っていただけて感動です。頑張って書いたのが報われます…。応援ありがとうございます！ (2018年8月30日 15時) (
レス) id: 2df896d132 (このIDを非表示/違反報告)
冷凍みかん(プロフ) - すごく面白くて、読んでて楽しかったです！続き頑張ってください！ (2017年8月19日 18時) (レス) id: 86c7d5dde1 (このIDを非表示/違反報告)
えるふぃ(プロフ) - シロさん» 返信遅れてました(´・ω・`)H×Hは私の中でもお気に入りの漫画なので書いてて楽しいです(*´ω｀*) (2016年11月12日 0時) (レス) id: d0667a2ad3 (このIDを非表示/違反報告)
えるふぃ(プロフ) - フェイ・ルーンさん» 返信遅れてすみません。ワクワクしますか！それは嬉しい褒め言葉です(*´ω｀*)自分でも話を考えてるときはワクワクします！ (2016年11月12日 0時) (レス) id: d0667a2ad3 (このIDを非表示/違反報告)
えるふぃ(プロフ) - モッケさん» 返信遅れて申し訳ないです。面白いといっていただけてうれしいです！更新は中々出来なかったですが頑張ります(*´ω｀*) (2016年11月12日 0時) (レス) id: d0667a2ad3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えるふぃ | 作成日時：2016年3月27日 19時
