No.66：最悪の相手 ページ28
声にならない呻き声を上げて、ゴンがうずくまる。顔に脂汗を大量に浮かべて、左腕を押さえた彼は必死に痛みを耐えている。左腕に全く力は入っていない。どこからどう見ても、完全に折れてしまっていた。
その仕打ちにレオリオもクラピカも怒りを隠そうともせず、ハンゾーを睨みつける。
いたぶられて傷だらけのゴンを見て痛そうとは思うけれど、ハンゾーを見ても殺してやりたいとは思えない僕には、やっぱり昨日ゴンからもらった４文字の言葉は相応しくないなと感じた。
「痛みでそれどころじゃないだろうが聞きな。」
うずくまるゴンの前で、何を思ったのかハンゾーが片手で倒立を始めた。そのまま目を瞑り、自分の生い立ちについて語りだした。自分のことを隠密集団の末裔だと語っておきながら、さっそく正体を明かし出すあたり、彼には忍びが向いてないのだと思う。
何はともあれハンゾーが隙だらけの状態になったところで、やっとゴンが動いた。左腕をかばいながらもハンゾーの顔面を思いっきり蹴り飛ばしたのだ。
その瞬間から、ハンゾー側に傾いていた空気の流れが一気に変わった。長引きすぎた試合をさっさと終わらせたいのか、ハンゾーが刃をだして足を切り落とすと脅しても、ゴンが突拍子も無いことを言って会場の空気を塗り替える。
ゴンの戦闘能力が上がったわけでも、傷が治ったわけでも無いのに、何故かゴンのペースに持ち込んでいる。
キルアはこの状況が不思議で不思議でたまらないのだろう。神妙な顔つきをしてじっと状況を眺めていた。
＊
結論から言えばゴンの勝利で終わった。ハンゾーはゴンにギブアップさせるのを諦めた。
ただ、ゴンはそれに納得がいかなくて駄々をこねたためハンゾーによって気絶させられたので、医務室に運ばれて行った。
本当は今すぐにでもゴンの元に駆けつけて、彼の折れた腕を治してあげたいのだけれど、いかんせん今は試験中だ。ここを離れるわけにはいかない。
第２試合はクラピカ対ヒソカ。二人はしばらくの間やりあった後、ヒソカがクラピカに何かをつぶやき、何故かヒソカが負けを宣言した。
第３試合はハンゾー対53番の弓使い、ポックルだった。ゴンの時と同様、試合開始後すぐ組み敷かれたところでポックルが負けを認めた。
そしてついにやってきた第４試合目。恩を仇で返すようだけど、僕は第２試合目でクラピカに負けて欲しかった。
「第４試合目、ヒソカ対A！」
僕は、ヒソカとだけは戦いたくなかったから。
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えるふぃ(プロフ) - 冷凍みかんさん» 一年前のコメントに返信失礼します。面白いって言っていただけて感動です。頑張って書いたのが報われます…。応援ありがとうございます！ (2018年8月30日 15時) (
レス) id: 2df896d132 (このIDを非表示/違反報告)
冷凍みかん(プロフ) - すごく面白くて、読んでて楽しかったです！続き頑張ってください！ (2017年8月19日 18時) (レス) id: 86c7d5dde1 (このIDを非表示/違反報告)
えるふぃ(プロフ) - シロさん» 返信遅れてました(´・ω・`)H×Hは私の中でもお気に入りの漫画なので書いてて楽しいです(*´ω｀*) (2016年11月12日 0時) (レス) id: d0667a2ad3 (このIDを非表示/違反報告)
えるふぃ(プロフ) - フェイ・ルーンさん» 返信遅れてすみません。ワクワクしますか！それは嬉しい褒め言葉です(*´ω｀*)自分でも話を考えてるときはワクワクします！ (2016年11月12日 0時) (レス) id: d0667a2ad3 (このIDを非表示/違反報告)
えるふぃ(プロフ) - モッケさん» 返信遅れて申し訳ないです。面白いといっていただけてうれしいです！更新は中々出来なかったですが頑張ります(*´ω｀*) (2016年11月12日 0時) (レス) id: d0667a2ad3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えるふぃ | 作成日時：2016年3月27日 19時
