べた惚れくん (ページ2)

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「暖かな春の訪れとともに…」

私含め周りの人は着られてる感満載の制服を、彼はバッチリ着こなしている。
顔がいいってズルいなあ、とイケメンくんを僻んでみる。

「…新入生代表、佐藤勝利。」

1度も噛むことなく、最後までキリッと言い切ったイケメンくん。

…え、

最後にぐるっと見渡したイケメンくんと、目が合った気がした…

「私のこと見たよ、絶対」

「嘘、私だって」

…のは、私だけじゃないみたい。

コソコソと後ろの女の子たちが言う。
まあ、うん。そうだよね。
今日初めて見たイケメンくんが、私と目が合うはずがない。

…でも、

吸い込まれるようなイケメンくんの目は、確かに私と合った気がする。

だって、それまで気にしていたミートソースを気にしてられないくらい、心臓がドキドキしてる。

一瞬で心を奪われて、私はステージから降りるイケメンくんをぼーっと見つめていた。

…なにこれ。
こんなの、経験したことない。

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