林檎が四個落ちた ページ7
「何処へ行こう?」
有難い事に今の季節は冬では無かった。
ロシアの冬は寒い。
こんな白いノースリーブのワンピースでは凍え死んで仕舞うところだった。
「…はぁ。」
出て来るのは、溜め息。
「私の名前…何だっけ?」
暫く、フェーヂャには『貴女』って呼ばれてたからなぁ……
「ん〜…」
暫く考えながら歩いていると、港に着いた。
「何処に行くんだろう?」
看板には、『ヨコハマ』と書いてあった。
「取り敢えず、此処の国から出ないとだし、これに乗せてもらおう。」
すると、運良く船長の様な人が降りて来た。
「すみません!」
船「?…お嬢ちゃん、一人かい?」
白いお髭が生えた、おじいちゃん船長は私に尋ねる。
「はい。そうなんですけど……実は、ーーー………と云う事があって……一刻も早くこの国から出ないとなんです。………お願いします!乗せて下さい!」
頭を深く下げた。
船「そんな事が………良いぞ。乗せてやろう。」
「!…有難うございます!」
中に入ると、或る部屋に案内された。
船「此処は今使わない部屋だ。着くまでゆっくり休んでろ。」
おじいちゃんはニコリと笑い、部屋を出て行った。
『パチッ』
電気を点けて見ると、ベッドが置いてあって、
クローゼットがあって、机が或る、シンプルな部屋だった。
『ゴォー』
大きな音がしたと思ったと同時に船が動いた。
窓の外をすかさず見て見ると、海が景色いっぱいに広がって居た。
「わぁ!すっごく綺麗!」
夕日と海が混合して、海がオレンジ色に見えた。
「ん、安心したら、眠くなっちゃった。」
ベッドに転がると、夢の中に落ちて行った。
『ガチャ』
扉の開く音で目が覚める。
船「着きましたぞ。ほら、起きなさい。」
「あっ!はい!」
すぐさま起き上がる。
船長にお礼を云い、船を出た。
「此処がヨコハマ…!」
高層のビルが立ち並び、人が行き交う。
「都会だ!」
その場でクルクルと回り、手をぎゅっと握った。
「やっと出られたんだ!」
暫く、道をスキップしながら進む。
でも、少し気になるのは、フェーヂャが私の異能を何故悪用しなかったか。
私の異能は、人を弱らせる能力。
若しかして………私にそんな仕事をさせたくなかった、フェーヂャの優しさ?
厭、あり得ない
そんな事
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雪華 - 栢山さん» ありがとうございます!好みに合って良かったです (2018年3月26日 20時) (レス) id: dd74f2815f (このIDを非表示/違反報告)
栢山 - 闇があるので、とても私好みです(^-^;。 (2018年3月26日 18時) (レス) id: 015d78937e (このIDを非表示/違反報告)
青空ピース - みささん» ご観覧ありがとうございます!これからも頑張りますので、よろしくお願いします。 (2018年3月22日 8時) (レス) id: dd74f2815f (このIDを非表示/違反報告)
みさ - ドストさん推しなのでうれしいです!! 設定めっちゃ好みだし、これからも更新頑張ってください! (2018年3月22日 2時) (レス) id: 2aabce13b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:青空ピース | 作成日時:2018年3月4日 19時