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林檎が十五個 ページ20

ー廃墟ー


敦「此処が…」


所々、腐敗していて今にも崩れそうな廃墟を睨む。


太「敦君、落ち着いて。此処に居るはず…」


太宰さんが少し怒りを浮かべた瞳で廃墟を見る。


太「敦君。此処からは君一人で行くんだ…判ったかい?」


敦「はい…」


何故かと云うと、廃墟の前には監視が何人も居て、中にも監視が数十人居るからだ。


普通に行けば、一般人だったら一発アウトだ。


だけど、僕の異能力『月下獣』の脚力を使えば、監視の目を欺ける。


だから、僕一人の任務になる。


太「敦君、今だ」


敦「はいっ」


目を瞑り、息を吐く。


すると、忽ち脚は膨張し、すっかり虎の脚になった。


『ゴウッ』


風を切る様に走った。


『ドスッ』


廃墟の壁に虎の爪が刺さる。


賺さず異能を解除し、爪を抜く。


パラパラと土や石が辺りに舞う。


敦「…よし。」


僕は一歩一歩、慎重に足を進めた。




ーその頃の偵察班


太「!…若しかしたら…」


国「どうした。太宰。」


太「国木田君。カフェに行ってくるよ。」


国「は?!何を云ってる!この唐変木!幾ら何でもそれは…」


太「国木田君。私の勘がどの位合っているか。…それは知っている筈だ。」


太宰は真剣な眼差しで国木田を確りと見詰める。


国「…判った。だが、何か策は有るんだろうな?」


太「嗚呼。勿論有るさ。…其れはね_________」


ゴクリ。


そう生唾を飲み込む音がする。


太「神から少しの間、目を借りる。」


サラッと変人発言をした太宰を国木田は怪訝そうな表情で見る。


国「はぁ?!神の目?…そんな物が…」


太「有るよ。でも、或る組織に力を借りる。でも其れを説明してる暇は無い。」


国「そうか。…絶対何か掴んで来い!」


太「嗚呼」


そう云って太宰は廃墟と逆方向の大都市。


ヨコハマへと歩き出した。


太「待っててね。Aちゃん。_________見捨てたりなんかしない。」


太宰は俯向き乍も真剣な表情で街へと歩を進めた。




ーその頃の廃墟


敦「…誰も居ない?外にしか監視が居ないのか?」


可笑しい。


静か過ぎるし、何より廃墟なのに、埃が壱ミリも付いて居ないし、舞っていない。


廃墟と云うには程遠過ぎる…。


?「ハーハハハ!ようこそ!虎の少年!僕の名前は何でしょう?!今回はノーヒント!」


何も無い虚空から現れた、ピエロの様な青年。


誰であろうとも、倒してみせる。


?「虎の少年。少し話を聞いてくれないか?」


敦「?」

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雪華 - 栢山さん» ありがとうございます!好みに合って良かったです (2018年3月26日 20時) (レス) id: dd74f2815f (このIDを非表示/違反報告)
栢山 - 闇があるので、とても私好みです(^-^;。 (2018年3月26日 18時) (レス) id: 015d78937e (このIDを非表示/違反報告)
青空ピース - みささん» ご観覧ありがとうございます!これからも頑張りますので、よろしくお願いします。 (2018年3月22日 8時) (レス) id: dd74f2815f (このIDを非表示/違反報告)
みさ - ドストさん推しなのでうれしいです!! 設定めっちゃ好みだし、これからも更新頑張ってください! (2018年3月22日 2時) (レス) id: 2aabce13b3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:青空ピース | 作成日時:2018年3月4日 19時

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