林檎が十二個 ページ16
それから二人は部屋から出て行って、私は一人部屋に取り残された。
「ふふ、楽しかったなぁ…」
まぁ最後、一寸予想外の事が起きたけどね。
「はぁ。」
疲れたのか、自然に溜め息が出る。
「そうだ。紅茶飲んだら、もう寝よう。」
私はアールグレイの茶葉を入れ、紅茶を作り始めた。
ーゴーゴリサイドー
ゴ「ねぇ、ドス君。」
ド「?…何ですか?」
ゴ「これから、ルノワールってどうするの?」
ド「…僕たちに堕ちさせる。…当たり前の事ですよ。」
ゴ「そ、そうだよね。」
一瞬、ドス君の狂気的な目に圧倒されてしまった。
ド「若しかして、『可哀想だ。逃がそう。』…とでも思ってますか?」
ゴ「?!」
完全に心を読まれた。
そうだ。
僕は、ルノワールを逃がそうとした。
何故か?
それは_________
このままでは、
外の世界を見ずにルノワールは朽ちて仕舞うだろうから。
そんな光景、僕は見たく無い。
_________でも僕は弱いから。
ゴ「そんな事、思う筈無いじゃん。僕もドス君と同じ事考えてたよ。」
ド「思い過ごしですか。」
ゴ「そうだよ!僕がそんな生温い事考える筈無いじゃん!」
ごめんね。
ごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんねごめんね
僕は君を守るには、少し弱いみたいだ。
だから、ルノワールの事は守れない。
ゴ「ごめんね。ルノワール…」
僕のそんな、か弱い声は消えていった。
(ゴーゴリサイド終)
「ん、ぅ」
目が覚める。
それと同時に、何故か涙が出て来た。
「?!…何で、」
この涙は何?
「何なの…」
止めたいのに、ボロボロと溢れてくる。
「ぅ…ぁぁぁ…」
会いたい。
探偵社の皆んなに。
「助けてっ…誰かぁ…」
でも、探偵社の皆んなは私の事なんか…
それに、私が居なくても仕事は成立する。
内心、捕まった時思ったんだ。
_________これでもう、探偵社の皆んなには迷惑掛けない。って
「はは、自暴自棄なんて…私らしく無いな…」
否、本当の私は泣き虫で弱者。
何で忘れてたんだろう?
私は皆んなみたいに強くも無い。
能力も人を殺める事にしか使えない。
だから私は…
この時、頭に一つの疑問が浮かんだ。
それは…
何で私は…
__________________探偵社に拾われたんだろう?
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雪華 - 栢山さん» ありがとうございます!好みに合って良かったです (2018年3月26日 20時) (レス) id: dd74f2815f (このIDを非表示/違反報告)
栢山 - 闇があるので、とても私好みです(^-^;。 (2018年3月26日 18時) (レス) id: 015d78937e (このIDを非表示/違反報告)
青空ピース - みささん» ご観覧ありがとうございます!これからも頑張りますので、よろしくお願いします。 (2018年3月22日 8時) (レス) id: dd74f2815f (このIDを非表示/違反報告)
みさ - ドストさん推しなのでうれしいです!! 設定めっちゃ好みだし、これからも更新頑張ってください! (2018年3月22日 2時) (レス) id: 2aabce13b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:青空ピース | 作成日時:2018年3月4日 19時