林檎が七個 ページ11
〜敦サイド〜
敦「Aちゃん、君は何処に居るの？」
捜索し始めて二日。
普通だったら、此処らで乱歩さんが見つける筈……
なのに、乱歩さんの『超推理』を使っても見つからない。
乱「(ブツブツブツブツ)」
乱歩さんはこんな感じで放心状態だ。
敦「一体どうしたら…」
若しかしたら、Aちゃんはもう…
国「敦。」
静かに呼ばれた僕の名前。
敦「はい？」
国「彼奴の机を探ってくれ。」
国木田さんが指差したのは、Aちゃんの机。
敦「？！…何で僕何ですか？」
国「お前が一番Aに信頼されてるからだ。」
敦「僕が、ですか？」
そうなのか？
国「敦、お前は自覚してないだろうが、Aは依頼した後、お前について来て欲しがっていたぞ」
敦「！…じゃあ、開けてみます」
ゆっくり引き出しを開ける。
国「何かあったか？」
敦「あの、こんなノートが…」
引き出しの中にあったのは、一冊の日記帳。
表紙には、『私以外には見せないで』と書いてあった。
敦「…ごめんね、Aちゃん。読ませてもらうよ。」
『パラリ』
僕は頁をめくった。
『今日は晴れだった。
人が泣き叫ぶ処に連れて行かれて、林檎を投げろとフェーヂャに云われた。
私は云われるがままに毒林檎を投げた。
十数秒、人は苦しみ悶えた。フェーヂャは空かさずその人達を殺した。』
敦「そんな…Aちゃんは人は殺して無いって云ってたのに…」
嘘だ。
そんな気待ちもあったが、また頁をめくった。
『今日の天気は判らない。
一日中閉じ込められてた。暗い暗い処にずっと一人で居た。蝋燭の火を見たり、本を読んでいた。
少し、寂しかった。』
その頁の隅には、滲んだ様な跡があった。
『寂しかった』
そう書いてあるから、きっとAちゃんの涙だろう。
また次の頁をめくる。
『今日の天気は曇りだった。
久々に人と話した。勿論フェーヂャと。フェーヂャは、「外は乱暴な人や、人を騙す輩がいて怖い。」と教えてくれた。
私は外に出ない。そう決めた。』
敦「…洗脳？」
だから、探偵社に来た時、震えていたのかな？
次の頁をめくる。
すると、其処には絵が描かれていた。
鳥籠の中で歌っている白雪姫の絵。
きっと自分の今を思い描いたのだろう。
敦「Aちゃん…」
僕は只、昔の自分を思い返した
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雪華 - 栢山さん» ありがとうございます！好みに合って良かったです (2018年3月26日 20時) (
レス) id: dd74f2815f (このIDを非表示/違反報告)
栢山 - 闇があるので、とても私好みです(^-^;。 (2018年3月26日 18時) (レス) id: 015d78937e (このIDを非表示/違反報告)
青空ピース - みささん» ご観覧ありがとうございます！これからも頑張りますので、よろしくお願いします。 (2018年3月22日 8時) (レス) id: dd74f2815f (このIDを非表示/違反報告)
みさ - ドストさん推しなのでうれしいです!! 設定めっちゃ好みだし、これからも更新頑張ってください! (2018年3月22日 2時) (レス) id: 2aabce13b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：青空ピース | 作成日時：2018年3月4日 19時
