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声が聞こえた。
それはさっきまでの曇ったような、過去の声とは違いもっと側にあった。
『早く…帰って来てくれたらいいスのに』
「は、はは…」
呆れた。こんな都合のいい幻聴まで聞こえてきてしまった。勘久郎がそう思っているわけが無いのに。
嘘だって、幻聴だって、虚偽だって解ってるのに。
でも、この声がどうしようもなく愛おしい。
私を包み込むような優しい声が。
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白。
白が見えた。さっきまでの暗闇とはうってかわったその色は私の目を少なからず刺激した。
無機質な電子音も聞こえてくる。規則的な音は大した状況でも無いことを自覚させてくれた。
足音や声はしない。
ただあるのは、目の前に広がる白と電子音。そして、私の頭を撫でる優しい感覚だった。
え？
私の頭を撫でる優しい感覚？
バッと首を捻らせると青い瞳と目があった。
「え…？」
「うわぁあっ！？Aっ！？お、起きてたんスか！？」
慌てて飛び退く勘久郎だったが、こんな取り乱してどうしたんだろう。
「い、いや！今のは違うんスよ？ほんとに！」
「え、なになに？どしたの？」
「え？」
「え？」
私が聞き返すと勘久郎は安心した表情を浮かべた。
「あー、いいんス。なんでもないス。」
「う、うん？分かった？」
勘久郎はまた安堵の表情を浮かべ、息を吐いた。
「そうだ。体調はどうスか？」
「あ、そっか。普通だよ？…ごめんね」
そう謝ると勘久郎は顔をしかめた。
「何いってるんスか。いいんスよ。それより、ごめんよりも言って欲しい言葉があるんスけど？」
ニヤリと笑うその顔だったが、優しさも滲んでいて私は頬が緩んでしまった。
「ありがとう、勘久郎」
目を見つめそう言うと勘久郎は頭を優しく撫でてきた。
その手つきがほんとに優しくて暖かくて目を閉じる。
そうだ、聞きたいことがあった。
「ねぇ勘久郎。さっき起きる前も頭撫でてくれてたでしょ？あれって…」
すると勘久郎は思い切り吹き出して、噎せこんだ。
「げほっ、え、いや、あれはスねぇ…こほっ」
「か、勘久郎！？だ、大丈夫なの！？」
「いや、だ、大丈夫ス…けほっ」
そのまま、また噎せ始めた勘久郎の背中を擦り時間が過ぎていった。
結局、私が聞きたかったこと、起きる前に何か話しかけてくれていたか、は聞けなかった。
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やったあー！
休みだぁっ！
ばんばん更新してやる＼(*⌒0⌒)ｂ♪
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水麟 - 紅 こべにさん» ありがとうございますっ！凄く嬉しいです！(満面の笑み) (2019年5月3日 16時) (
レス) id: 65c8c71a9b (このIDを非表示/違反報告)
紅 こべに - 面白すぎませんかこういうシリアス大好きです（真顔） (2019年4月27日 6時) (レス) id: 64e65a2b60 (このIDを非表示/違反報告)
水麟 - おりんさん» ありがとうございます！嬉しいの一言です！ (2019年4月1日 19時) (レス) id: 0dc0777a12 (このIDを非表示/違反報告)
おりん - 水麟さんの作品は全部好きやなぁ…（キラキラ） (2019年3月30日 11時) (レス) id: be6cccc8ca (このIDを非表示/違反報告)
おりん - え、何これメチャおもろ (2019年3月30日 11時) (レス) id: be6cccc8ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：水麟 | 作成日時：2018年11月14日 16時
