花 婿 候 補 は １０ 人 の 訳 あ り 執 事 ？ ！

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なんだかピアノの調子が悪くて


楽器屋へ急いだ。








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一週間前、母さんの担当医さんから


とうとう告げられた、母さんとの別れの日。







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いかないでないんて言わないよ。


だって、空の上で微笑む方が


きっと母さんは苦しまず済むでしょ？




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せめて、最後は俺のピアノで

母さんを見送りたい。








そう考えるとさ、

少しでも壊れてるピアノじゃだめでしょ？









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調理師「あー、キーが緩んでますね。ブロックも外れかけてましたよ。」







「あ、あの。急ぎで！！」






調理師「あ、はいっ」









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10分後_____







調理師「できましたよ」




「っ…ありがとうございましたっ！」








高速でピアノを車に乗せて


引っかからない程度にスピードを出して


母さんの待つ病院へ急いだ。









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病院に着いた。


母さんの病室の前が、何故だか騒がしい。









「っ…母さんっ…！！！」







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そこは、真っ白な空間。


母さんは元気な頃からしたらかなり痩せたと、


今再確認したのが恥ずかしい。









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白い、少しだけレースがあしらわれた


布を担当医さんが優しくとった。









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担当医「健人くんっ………すまんな。健人くんが帰ってくるまではっ！………っと、思ったんじゃが……間に合わんかった。」





謝る担当医さんに


俺は何も声をかけてあげられなかった。





ただただ、自分の不甲斐なさを痛感した俺は、


その場にいるのも息苦しかった。









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「ご めっ…！ごめ んっ…か あさっ…んっ……！！っ……」




溢れてくる涙を拭う余裕も


今はない。









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2005年4月15日4:40





母さんは、息を引き取った。

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