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#47 ページ49

「(り、りせー?って…何……?)」


「(知らねぇのか?……理性って言うのは…)」


「なぁやっぱり居ないだろ」


「(声が近い…!!)」「(大分ちけーなぁ)」


「(ヴァルぅぅ…!!どうしよううう…!?)」


涙目で、縋るようにヴァルを見上げる。


「(……主)」


「(へ…?)」


「俺、今切れかけた。…少し責任取れ」


低く、ドスの効いた声で、

そう耳元で呟いたと思えば、


首筋に、“何か”が触れる感覚。


よく分からないけど…く、擽ったい…。


「ひっ…!?」


「(…声出したら、外の奴等に聞こえちまうぞ)」


「(だっ、て……!!

ヴァルが急に何かするからで──」


小声で訴えていると、

ヴァルの手によって口を塞がれる。


ヴァルがカーテンの方へ…本当は、カーテンの外だろうけど。

その方向へ向けた視線は、鋭かった。


その眼光に、何も言えなくなる。


「ほら、やっぱり居ないぞ」


……居る、今、カーテン越しの真横に居る。


見つかったらどうしよう。


そんな恐怖心が僕を襲う。

しかしヴァルは、恐れる様子もなく。

声は出さないものの、

カーテンの方へ目を向けたまま、

「大丈夫」

と、口を動かした。


「じゃあ他探すかー」


その言葉と共に、足音は遠ざかっていく。


途端、僕は腰が抜けてしまった。

サッと、ヴァルが支えてくれた。


「大丈夫か…?」


「あ…ありがとう…。

安心したら…力が抜けちゃって……」


「ははっ…まあそりゃそうだよなぁ。

良く頑張ったな。おりこーさん」


そう言いながら、僕の頭を撫でる。


安心するなぁ…、ヴァルが守護神で良かった。


……そうだ。


「ねぇヴァル。あの…結局、りせー?…って」


「なぁ主。主はコイントスを2回外したよな?」


ヴァルが、僕の言葉を遮る。

……ニコニコとした笑顔で。


「え?あ、まぁ…うん。そう、だね…?」


「じゃあ、2着着させる権利が俺には有るんだな。

んー、何の服にしようかなー」


「………………やっぱり……疫病神だ…」

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朔月(??)(プロフ) - クレキさん» ありがとうございます!!(*´▽`*)主もヴァルもクレキさんを愛します← (2019年5月28日 21時) (レス) id: 677fbe071b (このIDを非表示/違反報告)
クレキ - この2人の雰囲気が温かくて大好きです!主もヴァルも愛してます! (2019年5月28日 14時) (レス) id: ddf6620f0e (このIDを非表示/違反報告)
バキューム砂月(??)(プロフ) - kisaragi_gigoroさん» ありがとうございます!!(´;ω;`) (2019年4月23日 16時) (レス) id: 3aa50aad4f (このIDを非表示/違反報告)
kisaragi_gigoro(プロフ) - 尊きことこの上ない (2019年4月23日 11時) (レス) id: 69904253c9 (このIDを非表示/違反報告)
朔月α(プロフ) - レイアさん» キュ○べぇではないですね笑 (2019年3月30日 17時) (レス) id: ab8cd8723d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:朔月α | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/082301153/  
作成日時:2019年1月15日 17時

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