任侠には興味なし【d!】 (ページ16)

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目覚めてから、数日がたち、だいぶ体も元気になったので、本部へ戻ることにした。

ちなみに、私がいた場所は組直属の病院だった。

直属って何、と思ったがもう突っ込まないことにする。

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本部に戻ると、ロボロが出迎えてくれた。

私を見るなり、涙目になりながらAと何回も名前を呼んでくれる。

「お願いやから、心配させんといて…」

『…ごめんね。』

私の為に泣いてくれる人がいると思うと、本当にありがたい。ロボロの背中をさすりながら、そんなことを考えていた。

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私たちはそのまま一緒に、組長室と書かれた厳かな雰囲気の扉の前で足を止めた。

唾をゴクリと飲み込み、その重々しい扉を開ける。

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扉の先には、何人かが静粛に座って待っていた。

その中に、コネシマさんや兄の姿もある。

こっちやで、と指された席はいわゆる誕生日席。

それだけ、この中で私の地位は高いのかもしれない。実感は無いが。

「全員揃ったな。」と、コネシマさんが話し始める。
今日は、父の遺言についてで大事な話があるようだった。

「叔父貴が書いたであろう遺言がこの部屋から見つかった。」

手には縦向きの封筒が握られている。

「それは、本物なの？」

幹部の中の、赤いバツマークがついたマスクをつけた人が問いかける。

確かにそうだ。誰かが勝手に書いた可能性だって十分にある。

「お前ら見てみぃ、この文体は明らかに叔父貴のものやろがい！！」

コネシマさんが机に叩きつけるように置いたその紙一面に、大きく大胆な文字が並んでいた。

なるほど、確かにあの父なら書きそうだ。

「確かにこれは叔父貴の字や。」

確認していたロボロがゆっくりと伝える。

「これで分かったやろ？んで、こん中にはこんなことが書かれていた。【次期組長は我が娘、Aが決めた者とする。】とな。」

それを聞くと、周りが騒然とする。

決定権をカタギである私に委ねるとは、考えようもなかったみたいだ。

「そういうことやから、A、お前にはまた暫く居てもらわなあかんねん。」

『私が、そんな大役任されていいのでしょうか？』

「叔父貴は信頼してる人にしか仕事は与えんで、A。」

コネシマさんがええかと聞いた時には私の決断は決まっており、無意識のうちに頷いていた。

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