任侠には興味なし【d!】 (ページ17)

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とは言っても、誰を選べば良いのかなんて一切分からないので、私もヤクザの仕事を手伝い、色々学んでから決めることになった。

さよなら、純粋に生きてた頃の私。

まあ、人殺しとかは流石にやらないけどね。

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ということで、本格的に本部での生活をしなければならなくなった私は、1度全体会で挨拶をすることになった。

『AA、又の名を桃瀬Aと申します。』

「分かったかお前ら！！！この方が叔父貴の一人娘、桃瀬Aじゃあ！！手出したらタダじゃおかないからな！！！」

弱々しい私の挨拶に対して、迫力のあるコネシマさんの言葉。彼の勢いに呑まれて組員たちは一言も発しない。

これがコネシマさんの凄さか、と私は呑気なことを考えていた。

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何事もなく全体会は終わり、自室で自由にして良いとの事だったので、散歩がてら本部内を散策することにした。

以前は危ないからと行動範囲が制限されていたが、歩いてみるとかなり広いことが分かる。

父はこんなにも大きな組織のトップを勤めていたのかと思うと、本当に凄い人だったなと改めて感じる。

そういえば、先程から、組員とすれ違う度に頭を下げられる。今までそんな経験なかったので違和感しか感じない。

これもいつかは慣れるのだろうか。

「お疲れ様です、お嬢。」

ふと、すれ違いざまにふわっと甘い香りがする。

びっくりして思わず振り返ると、そこには、トルコ帽を被った糸目の男が立っていた。

『あ、えと…お疲れ様です』

男は何も言わず、上から下まで鑑定するようにまじまじと見てくる。彼の目は、糸目に見えるようで、若干翡翠色の瞳を覗かせているのだ。

一通り見終わったのか、今度は顔をしっかりと見てくる。

「本当に女の子めう〜｣

『は…い？』

「あ！初めましてオスマンです〜、気軽にマンちゃんって呼んでね〜」

『マン…？』

「そう、マンちゃんや！」

『は、はあ。』

これまでに出会ったことの無い人種で調子が狂う。
仕草や口調が若い女の子みたいなので、ショート寸前だ。

「あ、今急いでる？」

『い、いえ…』

「良かっためぅ！それじゃあ今からお茶飲みに行こう！」

『え、ええー！？』

言うやいなや、オスマンと名乗る男は私の腕をグイッと引っ張ってどこかへ行こうとした。

未だに脳内がパニックな私は、何も出来なかった。

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