任侠には興味なし【d!】 (ページ13)

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6.生きてページ13

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明け方、犯人が空港へ逃げたことを知り、私たちは空港へと向かった。

車を停め、皆急いで降りる。

コネシマさんにここに居ろと言われ、私だけ待つことになったが、それでは彼らによって犯人が消されてしまうかもしれない。
そう考えるといてもたってもいられなくなったので、私も危険を覚悟の上、犯人を探すことにした。

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犯人と出会うことは、そう難しくなかった。

顔の見えないその男は物陰に隠れ、息を荒げていた。

『あの』

「ッ…何やッ……｣

銃をこちらに向けてくるが、私の顔を見ると、銃を下ろしてしまった。

『何この傷…』

彼は腕を撃たれており、見るからにとても痛そうだ。

「お前、組長の娘やろ…？｣

『…はい』

「なぜ叫ばない？」

苦しそうに唸るその声に、一種の同情すら感じてしまう。

『貴方には、生きてもらわないと困るんです。』

「は？お前の父親殺したんやぞ？」

『でも、貴方に生きてもらわないと、その事件すら揉み消されてしまうから。』

「あほくさ。てか、なんで俺が死ぬことになっとんねん」

『話してたんです…貴方を殺すって。』

それを聞くと、男はため息をついた。

「騙された訳やな。」

『とりあえずここは危ない。私に着いてきてください。』

「…そうやって殺そうとしてないよな？」

銃を私に突き立てながら問う。

『そう思うなら今殺してください。』

彼は舌打ちをし、銃を突き立てたまま歩き始めた。

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しばらく歩いて、彼の逃亡用のジェット機までたどり着く。

「ホンマにええんか？｣

その質問には答えたくなかった。
こんなことして何のためになるのか私だって分からない。

『もし、生きてて、私に会ってくれるなら、また来てください。』

それ以外は何も言わないで、彼から離れて行った。

間もなく、ジェット機は発進した。

遠くで、苦い顔をした大先生を見つけるが、動く気力も湧かなかった。

(ああ、命の恩人や。あいつは。)

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