溶けないのは愛【pkmn】 (ページ6)

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とは言いつつも、定期的にナッペ山に赴いてしまうのが私だ。友人には隠しているが、こうやってたまに出向いている。

自分だってわかってる。言ってることとやってることが矛盾してるって。

けど、なんの慰めにもなんないのに、いつまでも過去に囚われこの場所に来てしまう。衝動は止められない。

そんな私が、弱くてたまらなく嫌だ。

それでも...。これが人間の性なんだろう。

あの日から、彼を見掛けることは1度もなかったけど、それでいいんだ。

懐かしい思い出をこの真っ白な世界に投影させることで、不思議と気持ちが落ち着く気がする。それだけで私は十分だった。

『はぁ.....。』

私以外には誰も見えない。

それもそうだ。ここは極寒の地。

滅多に人なんて来ない。

まさか彼がジムリーダーになっていたとは思わなかったが、それはそれで構わなかった。

だって、もう私が彼と会うことは二度とないのだから。

『うぅ、さむ.....。』

あの時はこれが心地よく感じていた位だったのに。

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そろそろ帰ろうかな。

満足するまで思いを馳せていたら、本格的に寒くなってきた。

このままでは風邪をひいてしまうと思い、帰ろうとした時、上から誰かが歩いてくるのを目にした。

その姿は、如何にも雪山に慣れてるような、凛とした様子だ。

向こうも私に気づいたようで、目を凝らしていた。

「誰？」

『.....っ！？』

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＿＿＿次の大会の後、時間ある？

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＿＿＿伝えたいことがあって。

その声を、私が聞き間違えるはずなんてなかった。

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