溶けないのは愛【pkmn】 (ページ5)

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2.ココロの氷壁ページ5

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そんな私に転機が訪れたのは、2ヶ月経ってからのことだった。

あれ以来、私はグルーシャのことを忘れようと家に塞ぎ込んでいた。所詮引きこもりと言うやつだ。

しかし、それを見兼ねた友人が週に一回遊びに来てくれたおかげで、そこまで社会不適合者にならなかった。

ある日、友人が少し躊躇いながらも話しかけてくる。

「あの...さ、大事な話しても...いい？」

『どうしたの？』

「その...グルーシャ選手のこと...。」

『っ...。』

彼女の顔が真剣味を帯びていたので、聞きたくない気持ちを抑え込んで私は聞くことにする。

「今ね、グルーシャ選手、ナッペ山のジムで...ジムリーダーをやってるの。」

『えっ.....』

冷たい風が私の体を吹き抜ける感覚がする。
それは、私のどんよりした気持ちとダルい体を起こすように。あのフィールドを思い出させるような、ひんやりと、爽やかな風だ。

「Aちゃんさ、ポケモントレーナーだったでしょ？それも、何個かジムバッジ持ってる...」

『まあ、ね。』

「だからさっ、彼に...挑戦...してみない？」

『...でも。』

「きっと、Aちゃんにとって、辛いかもだけど.....それでも彼に会えるなら会って欲しいの。」

私は、その場でYesと即答出来なかった。
あの時の感覚が蘇ってきたからだ。

『.....考えてみる...ね。』

「ホントっ！？」

『うん。』

本当は、挑む気なんて更々無いけど、これ以上彼女を悲しませたくない。だから、つい適当に返事をしてしまった。

会えるなら会いたい。

でも、会ったらきっとダメなんだ。

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