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＿＿＿キャアアアアアアアッ
突如として、皆の歓声が悲鳴に変わる。
グルーシャの身に何かが起こったのは流石の私でも分かることだった。
ただ、皆が立ち上がったせいでこの席からじゃ彼の姿を見ることは出来ない。
彼は、一体どうしたのだろうか。
すると、一人の男が絶望の表情を浮かべながら叫んだ。
「グルーシャ選手がッ...事故.....！！！」
その言葉で全て理解した。
ああ、彼は大怪我を負ったんだ。
だから、フィールド内に沢山の人が入り込んでる。
もしかしたら、かなりマズい状態なのかも。
私の頭はゲレンデと同じくらい真っ白になっていた。
『グルー...シャ.....君。』
お願い神様。
彼を、グルーシャを助けて。
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その後、辺りは騒然。大会どころではなくなった為に、私達は強制的に帰らされた。
彼の安否も分からぬまま。
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彼の状態が分かったのは次の日の朝だった。
テレビ画面に【引退】の文字がでかでかと映し出され、まだぼんやりとした頭の私を地の底へと叩き落とす。
『嘘...でしょ。』
信じたくない自分が耳を塞ごうとしてくる。目を潰そうとしてくる。見るな、聞くな、信じるな、と。
私はもう、彼のことを追うことが出来ない。
ずっと大好きだった彼の姿を見ることすら、二度と許されない。
そんな絶望が身体をキツく縛り付ける。
なんだか、呆気なかったな。
スマホロトムが煩く鳴った。
きっと友人が気にかけて電話を寄越してきたんだろう。
でもごめんね。
今は何もしたくなかった。
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作者名：らあ。 | 作成日時：2023年2月24日 20時
