客席からの恋____そして、実った

5．恋する乙女＿＿内面も、外面も、 ページ5

・
　
　「風花ぁ〜。一緒に帰ろ〜。」

美亜ちゃんが、すぐに話しかけてきた。

「うん。帰ろ。」

本当は佐藤君ともっと話したかったけど、佐藤君は部活があるからムリだった。

「風花さぁ、もっと佐藤と話したかったでしょ？」

う…図星…。

「うん…。さすがだね」

美亜ちゃんはニッコリ笑って、

「もちろん。当然のことだからね！」

「すごいね、美亜ちゃんは…。」

美亜ちゃんは二カッと笑った。

　なんだか、美亜ちゃんがまぶしくみえた。

　なんだか、うらやましく思った。

　すると、美亜ちゃんが

「風花さぁ、髪型変えない？前髪めにかかってるし。それに、ポニテにする？」

と言った。

「うん。ちょうど髪を切りたいって思ってたんだよね。」

「そっかー。じゃあ、切りに行く？」

「うん。そういようかな。」

だから私たちは、美容院に行った。

すると、店員さんが話しかけてきた。

「いらっしゃいませ。今日はカットですか？」

「はい。」



　1時間後

　「はい。こんな感じでどうでしょうか。」

　「はい。ありがとうございました。」

髪型は、ポニーテールにできるくらいの長さに切って、ぱっつんにした。

意外と思っていた以上に『かた』になっている。美亜ちゃんがすぐにこっちに来て言った。

「風花、似合っているね！」

「ありがとう」

「ほんとは、イメチェンのためにしようと思ったんだよね。」

初耳。驚いたけど、その気遣いにうれしく感じた。

「えっ！でも、ありがとう」

美亜ちゃんはいつもの笑顔で言った。

「内面も、外面も、恋する乙女だね！」

私は、照れながらもコクッとうなずいた。


明日、佐藤君は髪型のこと、気付く‥かな‥‥。

バカ・アホ作者から→←4．1歩前に進んだ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す