ハート ページ13
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紙飛行機を飛ばしてから数日、毎日俺の元に自信作の折り紙を持ってきていたあいつが来なくなった。
同じクラスで、いつも通り登校してきて、授業を受けて、友達と話す。
あいつの変わった所は俺と目を合わせなくなったことだけ。
賑やかな声は聞こえるのに、それが俺に向けられていないのが何故か腹立たしい。
怒らせた記憶は無いが、紙飛行機を外に取りに行った時から様子がおかしかったような気がする。
「つまんな」
ポッケに手を突っ込むとカサっと手に当たる紙の感触。
取り出して見るとバレーボール風に折られた紙。そういえばこんなの貰ったっけ。
頑張れという文字に懐かしさを覚える。
「ほんと、無駄に器用」
こんなのどうやって折るんだ、と折り目に合わせて破らないように丁寧に広げていく。
「…は」
1枚の紙に戻った時、内側に書いてある文字に気づいた。
「見てやれよ、なんか伝えたいこと書いてあるかもしれないだろ?」
金田一の言葉を思い出す。
「…わかりやすいところに書けよ。」
手先は器用なクセに、不器用な性格。
バカのひた隠しにまんまと引っかかってたのか、俺は。
そいつの姿を探しに教室を出た。
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制服洗えよって思った方すみません、私も思います。
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夏斗 - 凄くドキドキして最高でした。こんな素敵な作品をありがとうございました。 (3月31日 3時) (レス) @page16 id: 73bfbf52f2 (このIDを非表示/違反報告)
名無し78716号(プロフ) - ほんとに素晴らしい作品でした…ありがとうございます (3月2日 23時) (レス) @page16 id: aab997e352 (このIDを非表示/違反報告)
とーうえ れーと - ありがとうございます。 (3月1日 21時) (レス) @page16 id: 52d6184189 (このIDを非表示/違反報告)
美園(プロフ) - 最高によかったです (2月28日 9時) (レス) @page16 id: 69d991c9f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:李雨*無気力なう。 | 作成日時:2024年2月28日 0時