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   〜引っ越しの日(6)〜 ページ23

「オビ、どこ行ってたんだこんな時間まで」



すっかり陽が暮れた頃、庭園に通じてる扉から現れたのは今の今まで、姿を現さなかったオビにミツヒデが大きく溜め息をついた。



「いやあ」

「明日の予定だ。移動初日くらい大人しく寝ろってのに」



ソファーには、木々とクレアも明日の予定表を眺めていて、ミツヒデがテーブルに置いておいたオビの分の予定表を手渡す。




「日中と夜とじゃ違うでしょ。自分が寝起きするところの人の動きと足場は知っとかないと」

「「『それは同意だ』」」



オビはそれに目を通しながら、相変わらず良く息が合ってるようで。と笑った。




「途中から主も一緒でしたよ。俺が寄ったんで」

「何?」



オビの一言に、ミツヒデは耳を疑う。



「何やってるんだ、ゼンは…」

「もともと好きでしょ、そういうの」

『オビが寄ってなくとも、一人で行きそうだし』



まだオビと一緒なだけ良かったって。と見ていた資料から目線を上げミツヒデを見たクレア。



「まあなあ…明日早いのに起こすの苦労しそうだ」

「ゼン、白雪の事オビに何か言ってた?」




自分達には何も言わなかったゼン、オビには何か言ったのだろうかと木々が、首を少し後ろにそらして問い掛けた。




「まあ二、三。同じ王宮内でも薬室にいるのとは違いますからね。供がいりそうな時はついててくれって」

『へえ、ゼンが珍しく素直に頼んだんだ』

「な訳ないでしょうよ、うさんくさい顔がどうとかって言われたさ」




素直に頼めないないのかね、あの人は。と慣れたように笑っていたオビ。




「これまでとは顔を合わせる相手が変わるもんな…廊下も役人達が行き来してるし」

「オビもゼンに付いた時、散々珍しそうに見られてたけど」

「ははは」

『そんな事あったねー』



その頃を皆思い出してみると、少し懐かしいように感じた。



「でも、側仕えじゃない白雪の場合、わけが違うからね」

『あたし達がフォローしていかなきゃね』



クレアがそう言えば、皆同じように今はもう眠りについているであろう白雪の部屋の扉をじっと眺めた。




「さあ、そろそろ寝るか。オビ、ちゃんと起きろよ」

「はいはい、分かってますって。そんなに心配だったら一緒に寝ますか」

「…やめてくれ」



ははは、と笑うオビに、木々はミツヒデに冷めた目線を送る。




「寝、寝ないからな、木々!」

「ご自由に」

「お、おい、木々…」





.

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設定タグ:赤髪の白雪姫 , オビ , 従者   
作品ジャンル:ファンタジー
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ありす(プロフ) - 何度も読み返してるのが私だけじゃなくてよかったです!久しぶりに読み返しにきました!ずっと更新続いてるのが嬉しいです!!ありがとうございます:)♡ (2022年8月31日 14時) (レス) @page45 id: 331930e50a (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 最近この小説を知り、一気読みしてしまいました…!素敵な物語をありがとうございます🙇‍♀️お忙しいと思いますが、いつかふと思い出して更新して頂けたりすると嬉し泣きます😌 (2022年8月6日 18時) (レス) id: f76d03d4ec (このIDを非表示/違反報告)
りんごにゃん - 何度も読まさせてもらってます!!更新嬉しいです!!ずっと楽しみにしてましたー!!新刊も出て更新大変だと思いますが、頑張って下さい!続きの更新たっても楽しみにしてます!主人公とオビの絡みが特に好きです!また4人との絡みもとても自然で読むのが楽しいです! (2021年6月8日 23時) (レス) id: b4b1143c3c (このIDを非表示/違反報告)
ぺこぱ(プロフ) - この作品に出会えて良かったです!!お忙しいとは思いますが更新お待ちしています。がんばってください!! (2020年9月15日 14時) (レス) id: 7095aaaef1 (このIDを非表示/違反報告)
はまゆ。(プロフ) - 何周目かわからないですが見返しました!いつ読んでもとても素敵なお話です。応援してます。 (2020年5月25日 3時) (レス) id: a7b82f401c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:クレア | 作成日時:2016年2月8日 1時

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