〜宮廷薬剤師(６)〜 ページ43
そして自然と溢れる涙。
そんな時、クレア達と別れて帰ってきたリュウが部屋を恐る恐る覗いたのだ。
部屋の奥には、白雪の姿。しかし、何か様子がおかしい、下を向いて涙を流しているのが目に入ったリュウは、先程の道を急いで引き返したのだ。
「はッ、はッ、はぁッーー…！」
だだだっ
「王子、クレアさん、待って！待っ…」
「こらキミ！無礼だぞとまりなさい！！」
「！！」
やっと見つけたゼンとクレアの姿。他にも見た事のある二人の従者の姿があったが、リュウは二人を必死に呼び止めようと、駆け出すが城内衛兵に捕らえられてしまう。
「構わん」
『どうしたのー、汗もすごい…』
「……っ、あの………っケホッ」
ぜーぜーと、息を切らし膝に手をついたまま話せない状態でいるリュウにゼンは心配をする。
「おい…平気か？」
「……おれ、どっどうしてだか、わかんないんだけど…」
『ん？』
「あの人が…一人で…な、泣いてて…」
その言葉にゼンは、時が止まったように動かなかった。
『そか、ありがとー、教えてくれて。ゼン、白雪のお友達でしょ、友達が泣いたらどうしたらいいのか、この子に教えてあげなよ』
リュウも、ゼンを見つめておりクレアの言葉に頷けば、さっさと走って行ってしまった。
「クレアさんは…？」
『ん？あーね、も少ししたら皆で行こう』
リュウの頭を撫でて、ミツヒデと木々の顔を見ればクスりと笑われた。
『何よー木々までー、なんか可笑しいこと言った、あたし？』
「いや、いつも子供なクレアが偉く、お姉さんに見えてな」
「まぁ、実年齢はゼンと同い年だからお姉さんに間違いないけどね」
『何それ、酷いー』
膨れっ面のクレアを息が整ったリュウはチラリと見た。
『あ、そうだ。白雪とお友達になれたじゃん』
「え？」
『だって、白雪の事、心配してくれたんでしょ？友達は大切な人が何かあったとき、心配になったり、一緒にいて楽しいってお互いを思う事が友達になるってことなんだよー』
白雪の名前、ちゃんと呼んであげて？それからあたしとも、友達になって？あたしまだキミの名前知らないからさ。と頭をわしゃわしゃと撫でた。
『ね、も一回自己紹介しよーね』
「あ、はい」
クレアの笑顔にほんのり赤くして、下を向いてしまった。
だだだだ……！
「あ」
「え…」
『来たみたいだねー』
.
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紅羽(プロフ) - 侵入者(2)の最後の方のハルカ侯爵の台詞で「第二王子付き側近の」のあとの夢主の名前が変換されていませんでしたよ！とっても面白いです！これからも応援しています！！ (2018年8月2日 13時) (
レス) id: de0e7143c3 (このIDを非表示/違反報告)
アキラ(プロフ) - 図書館戦争の続きが気になります (2017年8月28日 12時) (レス) id: 4d7851a43c (このIDを非表示/違反報告)
クレア(プロフ) - ゆりなさん、コメントありがとうございます！いまは、少し更新をお休みしてますが、これからも応援宜しくお願いします！ (2016年4月2日 21時) (レス) id: 4a23c0f44d (このIDを非表示/違反報告)
ゆりな(プロフ) - 何回読んでも飽きずに楽しませてもらいました！！途中にある絵も最高でした！オビかっこいい。。。クレアさんの書く作品大好きです。これからも応援してます！ (2016年4月2日 21時) (レス) id: 46ce333a3a (このIDを非表示/違反報告)
クレア(プロフ) - かぷさん» 応援ありがとうございます！読みやすいと言っていただけて光栄です！私の小説から原作を好きになって頂けたんですか！感謝感激です！これからもコメント頂けると嬉しいです！ (2016年2月12日 1時) (レス) id: 4a23c0f44d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：クレア | 作成日時：2014年10月7日 0時
