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eine Geschichte ページ1
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二年前まで、第七師団にも女性がいた
淡い空色の髪と、亜麻色の瞳は儚くてきれいだった
鳳仙をも凌駕する戦いの才能は誰がどう見ても天才だったと思う
「あは、また私の勝ちだ」
何度やっても勝てたためしはなかった
次期団長はきっと彼女なんだろう。
なぜなら、彼女は天才だから
阿伏兎には「それは嬢ちゃんにとっての禁句だ」と言われたが、やっぱり彼女は天才だった
「天才」
そう言うと、彼女は困った顔をした
「天才とそうじゃない人の違い、分かる?」
分かんないよね、と彼女は自嘲気味に哂って食堂から出ていった背中に、俺はなんて声を掛けたんだっけ
あの後に、彼女が泣いていたのを俺は知らない
「あ、おはよう」
同じ年のはずの彼女は、随分と大人にみえた
自分より何倍も体のでかい団員にも信頼されていて、何をするのにも落ち着いていた
しぐさも言葉の重さも、大人と大差なかった
どことなく母さんに似ていた
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作者名:丹取千金 | 作成日時:2021年9月4日 20時