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僕が話終わった後、北斗はしばらく黙っていたけど、小さな声で少しずつ話し始めた。
北斗の口から語られたのは、僕と正反対の生活だった。
亮平「…ごめんね、そんなこと喋らせちゃって。」
北斗「いえ、僕が喋りたかっただけなので。」
北斗は淡々と、一定の調子で喋る。
笑う、怒る、悲しむ…
僕にとっては当たり前だった表現を、北斗は親によって奪われた。
大我「…どっちもが苦労しているのには、違いないよ。それぞれ境遇は違うけどさ、兄弟だから。
どれだけ離れて暮らしていたって、兄弟は兄弟だよ。でも…
“お互いに闘う覚悟、お互いを守る覚悟を持つってことも、兄弟なんじゃないかな？”」
その時僕は、大我の言葉に我に返った。
僕は北斗と出会ってから、今までの失った時間を取り戻そうとばかり考えていた。
北斗さえ幸せになればいいとだけ、考えていた。
でも、違う。
僕が義足で足が動かしにくいこと、北斗が抱えている心の傷も、お互いに闘っていく覚悟がないと駄目で。
今まで愛されてこなかった北斗も、今まで過保護に育てられてきた僕も、お互いに守るという覚悟がないと駄目で。
――お互いに、覚悟がないといけない。
僕はそのことに気付かされた。
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momo2 - とっても面白かったです！このお話を作った意図もあったし、そういうのを考えて読んでいると素晴らしい作品だな。と思いました。（言い方が上からみたいになってしまってすみません！）次回作楽しみにしています！頑張ってください！ (2019年10月14日 11時) (
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作者名：田中葵李 | 作成日時：2019年8月27日 21時
