38 ページ39
.
f｢Aはね、遠回りをしたんだ。｣
｢遠回り…？｣
繋いだ手と、彼の顔を交互に見ると
繋いだ手の力がさらに強くなって、
f｢そ、Aは中島さんと幸せになるために
俺ってゆールートを通って遠回りしただけ。
だから、笑ってて。｣
｢太輔…。｣
泣きそうに笑う太輔が私を見続ける。
f｢…この先、もし、俺の事想って
泣いてくれる時があるんだとしたら、、
笑ってて欲しい。
あんな事あったなって。楽しかったなって。
私、今幸せだなって。
…ね？ 俺からの最後のお願い。｣
｢…ぅ…ん。わ、かった。｣
私が何度も何度も頷けば、
たーくんは満足そうに笑う。
f｢じゃぁね__A｣
ゆっくりと…
ゆっくりと…
太輔から離されていく手を
繋ぎとめていたいと思ってしまう手を見続けて
永遠に出ていた涙を堪えて、止めた。
そして、彼の顔に視界を動かして
私の今できる精一杯の顔で笑った。
｢じゃぁね、たーくん。
元気でね。
…さようなら。
.
________愛してたよ｣
完全に、、離された手で
彼に背を向けて部屋のドアを開ける。
小さな声で言った
�犧埜紊慮斥姚瓩�
聞こえてなかったかもしれないけど、
私がなぜそう言ったのかの心理を
理解してくれたのかはもう、分からないけど、
彼の部屋を出てドアが閉まる直前、
振り返って僅かな隙間から見える
たーくんを見ると
.
�� ありがとう ��
.
そう、言っていた気がした。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 324人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：れんり。
| 作成日時：2019年3月3日 14時
