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気まずかった雰囲気はシャワーとともに流される。
2人で身体を洗い合えば
ソープとともに泡立つ無垢な彼への恋心。
それから数分後。
浴槽に向かい合って浸かる私達。
太輔の家の浴槽はこんな風に入れるくらい大きめ。
f｢ねぇ、A？｣
｢ん？｣
f｢久しぶりにさ、お風呂でどっちが息を長く止めれるかしない？｣
｢なつかしー！
いいよ？やろやろ
今回は絶対私が勝つから！｣
付き合った当初、
彼らの番組で息をどれくらい止めれるかを企画でしたらしく、それに何故かハマった太輔が
一緒にお風呂に入った時はやろう！って必ず競いあっていた。
毎回太輔が勝って、1度も勝ったことなくて。
勝つ度に、彼は私に
｢体力ないなぁ、Aさま。
あとで鍛えてさしあげましょう｣
なんて言って笑ってくる。
f｢よーい、どん！｣
子どものようにイタズラに笑う彼を最後に
ﾁｬﾌﾟｯ
2人で手を繋ぎながら水面に顔をつけた。
顔を水につければ落ち着くくらいの漆黒。
聴覚が研ぎ澄まされて、心地いい水の音が聞こえてくる。
ﾄﾞｸｯﾄﾞｸｯ
2人分の心臓の音が
繋いだ手から、
潜った耳から、
伝わって、感じて、
広がっていく。
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作者名：れんり。
| 作成日時：2019年3月3日 14時
