名前すら愛おしき【zm】 ページ27
涼しい風吹く屋上は絶好のお弁当日和だ。
しかし、屋上に響いたロボロ先輩の放送は、あまり和やかなものではなかった。
“今回は恋人に求めるもの特集でございます。”
「ん"！？」
zm「ほぉ…恋人に求めるものやって…！」
一瞬でお茶を喉に詰まらせた私とは反対に、ゾム先輩は楽しそうにスピーカーを見つめる。
その楽しげな横顔だけ貰えれば私は満足するけど……世の恋人たちは一体何を求めるのだろうか。
唐揚げを頬張りながら、私もスピーカーを見上げた。
“まずは名前呼びですかね？これは1番求めるかも。”
「……。」
zm「……。」
少し好奇心に満ちていた屋上に冷たい空気が触れる。
ゾム先輩と顔を見合わせて、またスピーカーを見上げた。
「私たちは名前呼びでは無いですが…。」
zm「まぁ、そういう…のも…居るんやない…の？」
なんとなく気不味い雰囲気が流れる屋上。
奥歯で噛み締めた唐揚げの味がしない_______。
zm「呼んでみてや、俺の名前。」
「はい？」
突如、ポツンと呟かれた言葉を聞いて、ゾム先輩に目線を移す。
緑の瞳は真っ直ぐに私を見つめていた。
「ゾム先輩の名前…ですか？」
zm「おん。呼んでみてや。」
翠望。
「のぞむ…？」
zm「んふ、何やエリ。」
……自分の名前が大好きな声で呼ばれるのは嬉しいものなのですね。
自分の名前がころん、と転がり落ちて耳へと入っていく。
それがただ、なんとなく嬉しくて。
「ふふ、なんか嬉しいです。」
zm「ほんま…！？…エリ、って何回でも呼んだるわ…！！」
微笑んでみせれば、ゾム先輩も嬉しそうに頷いて微笑んでくれた。
zm「名前呼びも悪く無いわ…！！」
「そうですねぇ…。」
なんだか距離がもう少し近付いた気がして、2人でまた笑い合う。
なんだか、彼の名前すら愛おしく思えた昼休みだった。
(のぞむ、のぞむ。…貴方の名前を呼べるのがすごく嬉しいの。)
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ネル(プロフ) - カンナさん» ふふふ、此方もご閲覧ありがとうございます笑 平和な世界の彼らも見ていただけて嬉しい限りです！ こちらこそお疲れ様でした、これからも頑張りますね！ (2020年9月24日 19時) (
レス) id: 138836bbb2 (このIDを非表示/違反報告)
カンナ - はぁ…平和。普段軍パロばっか読んでる私には丁度いい平和な物語でした！今更ですがお疲れ様でした！これからも頑張ってくださいね！ (2020年9月24日 16時) (レス) id: 37b1abc4a3 (このIDを非表示/違反報告)
ネル(プロフ) - blueleaf0201さん» いつも小説を読んでくださり、ありがとうございます…！ 質問お答えします。「くれへん？」シリーズのキューピットの白さんは、番外編として出させて貰う予定です笑。 htさんの話を書いてからなので、少し先ですが…。 これからも応援よろしくお願いします…！ (2020年5月25日 15時) (レス) id: 138836bbb2 (このIDを非表示/違反報告)
blueleaf0201(プロフ) - いつも小説を読ませてもらってます...！ネルさんのお話が大好きで、いつも何回も読み返させてもらってます...！質問なのですが、ネルさんはpいkとさんの小説は書くのでしょうか？この「くれへん？」シリーズでよく登場するので...w これからも応援させていただきます！ (2020年5月25日 14時) (レス) id: 3c5de14bac (このIDを非表示/違反報告)
こはる(プロフ) - ネルさん» はぁいピくんの話泣きました。もうダメですね自分wすぐ泣いちゃう (2020年5月8日 6時) (レス) id: 7df89d414b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ネル
| 作成日時：2020年3月24日 16時
