その後の。 ページ37
清々しい朝の空気を肺いっぱいに吸い込んだ。
「っはー、あ、夜久先輩! はざーす!」
「あぁ、リエーフおはよう。」
「はざっす、黒尾先輩」
「おー、おはよ」
いつも通り、夜久先輩達に挨拶していく
先を一人歩く見覚えのある背に声をかけた。
「深井、おはよう!」
緩かな動きで、名主がこちらに振り返る
風によって張り付いた髪を、少しだけ鬱陶しそうにどかしながら、
『おはよう。』
穏やかに小さく笑ってから身を翻し、そのまま体育館に行ってしまった
え
深井の背中を麗らかな朝日が照らしていた。
驚きにより硬直し、先程のは現実かと頬が赤くなってしまうまでつねっていた。
当初の頃とは違って雰囲気や、物腰が柔らかくなっていた。
成れたのだろうか、あのときにポツリとこぼした「胸を張れるような自分に」。
微笑んだあの深井の顔は、なんだか晴れやかだったように思える。
良かった。ほんとに。
気の緩んだ、暖かい気持ちになっていると、
『リエーフ!』
「うぉ、」
突如、ドアから顔を覗かせてきた人物に驚く
『…ありがとう、』
そう言い残して一人で自己満足し、中に引っ込んでいったA
思考処理の追い付かず、何故お礼を言われたのかわからなかったが
「したの名前で呼ばれた!」
同い年で、初めてちゃんとAの横に並べた気がしたのだ。
もう一回! と、追いかけ回していると、すかさず夜久先輩の蹴りが飛んできたが、痛みよりも喜びが勝っていた。
Aに優しく、穏やかな陽が射します様に。
綻んだAの顔に、つられて笑顔がこぼれた。
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塩梅。 - 雨宮咲那さん» 最後まで読んでいただき、ありがとうございます!さらには、共感していただけるなんて、とても嬉しいです。これからも、頑張らせていただきます。応援していただき、ありがとうございます! (2018年2月24日 14時) (レス) id: cd2e75c4d8 (このIDを非表示/違反報告)
雨宮咲那 - 感動してひたすら泣いてました。主ちゃんが私と本当に似ていて共感しか出来ませんでした。あ、関係ない。語彙力なくてすみません汗。これからも頑張って下さい!! (2018年2月23日 21時) (レス) id: b8284bc7d8 (このIDを非表示/違反報告)
塩梅。(プロフ) - かなでさん» 心に染みるコメントを有り難うございます!!これからも頑張らせていただきます。ありがとうございました! (2018年2月18日 22時) (レス) id: e6d9cf9c7d (このIDを非表示/違反報告)
かなで - こういう系の小説初めて読んだんですけど、おもしろかったです。これからも頑張ってください (2018年2月18日 18時) (レス) id: 3dad58bb65 (このIDを非表示/違反報告)
香夜久(プロフ) - 狐火@リリさん» コメントありがとうございます!!そんな風に感動してくださってとても嬉しいです…。語彙力が無さすぎてうまく言葉ては伝えきれたませんが、最後まで読んでいただき、そしてコメントまでくださって、本当にありがとうございました! (2017年12月11日 23時) (レス) id: e6d9cf9c7d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:塩梅。 | 作成日時:2016年3月8日 23時