無個性211 ページ37
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段ボールに少しの家具をしまい、リュックに必要最低限の着替えを詰めて相澤の車に乗り込んだ。
「もういいのか」
『うん、出して』
ありがとうぐらい。さよならぐらい。なにか一言おばさんに言えばよかったな、と寂しさから胸に収まった趣味の悪いぬいぐるみをぎゅっと抱き締める。
そんな私にちらりと視線を寄せ、相澤はハンドルを切りながら落ち着いた口調で喋りかける。
「そういえば来週の仮免試験だが、もちろんお前は不参加でいいな？」
『...うん、私には周りと数週間のブランクの差があるから。足引っ張ったりしたら大変だもんな』
さっそく出遅れたな、と後悔するように唇を少し噛んだ。
「お前ならこれぐらいの差なんて、すぐに埋められるだろう」
誰が指導してやってると思ってんだ、そう言いながら相澤は硬い革靴でブレーキを踏む。照れているのだろうか、合わない視線に「ああそうだな」とくすりと笑いながら返した。
急に学校に戻ると、どうだろう。みんなびっくりするかな。イタズラ心から流れるラジオの名曲に合わせて自然と上半身を揺らす。まあそれも相澤の呆れたような一言で止まったのだが。
クラスのみんなはどうしていたのだろうか。努力家の出久はさらに強くなってるんだろうな。考えに耽っていると、不意に爆豪のことを思い出した。
私が学校に行かなくなって数日後から、頻繁に爆豪からメッセージが届いていたのだ。その日の他愛もない出来事や、道で見かけた野良猫の不器用にブレた写真など、まるで私を元気付けるかのように。
その不器用で遠回しな優しさが、私のゆういつの毎日の楽しみだった。
言葉を交わしたりはなく、私が送ったメッセージは既読無視ばかりだったけど、その意味も中身もない爆豪が話す日常が、私にとってはすごくキラキラしているように見えたんだ。
少しの風に木々の間から揺られ、珍しく照った太陽の光を浴びた名も知らない蜂蜜色の果実が、より一層私の気持ちを駆り立てた。
ーーはやく、会いたいな。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
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蒼華 - え、え、え、相澤先生落ち！？え、だったらめっちゃ嬉しいんやけど (2021年1月3日 14時) (
レス) id: bececbab31 (このIDを非表示/違反報告)
まっちょヒーロー(プロフ) - 薔薇さん» コメントありがとうごさいます！！これからも爆豪くんの奮闘をご覧下さい(^^)笑 (2020年9月11日 19時) (レス) id: 1f1a431b21 (このIDを非表示/違反報告)
まっちょヒーロー(プロフ) - デクくんしか勝たん??さん» 一時期学業が忙しく、占ツクから離れてしまったのですがそれも落ち着いたので再び続きを書くことに致しました>_<お待たせしてしまい申し訳ないです(_ _) (2020年9月11日 19時) (レス) id: 1f1a431b21 (このIDを非表示/違反報告)
まっちょヒーロー(プロフ) - くりりさん» 少しずつですがまた更新していくことに致しました！！どうか2人の行く末を見届けて頂けると嬉しいです！(^^) (2020年9月11日 19時) (レス) id: 1f1a431b21 (このIDを非表示/違反報告)
まっちょヒーロー(プロフ) - もこさん» はやくくっついちゃえ！って思っちゃいますよね！(笑)すぐにクラス中の噂になりそうです(笑) (2020年9月11日 19時) (レス) id: 1f1a431b21 (このIDを非表示/違反報告)
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