無個性96 ページ3
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次に目が覚めたのは、病院の白いベッドの上だった。
呼吸をする度に全身を鋭い痛みが駆け巡る。咄嗟にその痛みに目を瞑ると、足元のすぐ横から落ち着いた声が聞こえて来た。
「佐藤、やっと起きたか」
『あ、...相澤』
目が合えば長いため息を吐き、静かにナースコールを押した後、私の頭をぐしゃぐしゃと撫でくり回して来た。
触んな病人だぞ、といつもの様に悪態をつこうとしたがその乱暴な手に反して優しい目で私を撫でる相澤に口を閉ざす。昔にも感じたような、懐かしい感覚。
重苦しく、それでいて穏やかで心地のいい沈黙は、医者が来るまで破られることはなかった。
＊＊
「もうしばらく、入院ですね」
鋭的外傷による太ももの傷は一生残る。
後頭葉を酷く打ち付けたせいで時々あたりが霞んだり白黒になったりとする後遺症が残る。
淡々と医師はそう告げた。
「命には別状はありません。ですが、この後遺症が後にーー」
あなたを危険に晒す事になる可能性は、充分にあり得ます。
私がヒーローを志す危険性の事を、暗に指しているんだと、直感的にそう思った。
霞んだり、色が無くなったりは日常的にはそんなに危険な事ではない。でも、敵と戦っている時になんの予兆もなくそれが起きたらどうする。
考えたくもないな。
医師が出て行ったところで私は深く息を吸い、そしてはっと笑った。
『...まあ、誰も辞めるなんて言ってねえんだけどな』
相澤が来たという事は、多分今は休み時間かなんかだろう。つか私どんだけ気ィ失ってたんだよ。
病衣を脱ぎ、隣に掛かっている雄英の貸し出し用制服に着替える。恐らく、私が病院を飛び出して来ると相澤は予想がついていたんだろう。
『(教師のクセになんつー...)』
思わず笑いそうになったが、見つかっちゃまずいので静かに窓を開けて地上へと飛び立った。
まだ体は痛むが、さっきほどではない。今頃、病院は大騒ぎだろう。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
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携帯持ってるけどやり方が知らん - あ、もうこれ轟さん落ちみたいな話じゃないですか。私嬉しいです(^∀^) (2017年6月15日 21時) (
レス) id: 9ea75f5c5e (このIDを非表示/違反報告)
Riptoon./ @雪村ヒロト(プロフ) - この作品、好きです！！！応援しています！！ (2017年5月15日 15時) (レス) id: 5d2ebc4a3d (このIDを非表示/違反報告)
*akatuki* - あ すいません。嘘です！更新頑張ってください！いつも面白いです。 (2017年5月10日 21時) (レス) id: 64ad3c02d8 (このIDを非表示/違反報告)
海 - 面白かったです！更新頑張ってください！ (2017年5月8日 17時) (レス) id: 69121b3f55 (このIDを非表示/違反報告)
ゲームしない系ヲタク - 続きが気になります。 (2017年5月7日 19時) (レス) id: 527e2febb7 (このIDを非表示/違反報告)
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