無個性4 ページ5
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『ただい、ああ』
見慣れたハイヒールがない。そうだ、今日は叔母さん出張でいないんだった。
『ったく、料理したんなら片付けぐらいしろよな』
見事に荒地と化したキッチンを見て、愚痴が溢れる。そしてその口をわざとらしく両手で塞いだ。
養ってもらってる身なのにだめだ。
油がこびりついたキッチンに散乱していた皿を片付けた後、リビングのソファに寝っ転がる。
ーー今日は色々あって疲れた。
出久がヴィランに立ち向かったり、何年間も話してこなかった爆豪と話したり。爆豪に至っては暴言吐いたからな。
『爆豪め、ピリ辛頭のくせに調子乗りやがって。死ね』
「誰がピリ辛頭だ。お前が死ね」
『ふぁっ』
私だけのはずの部屋に誰かもう一人ーー爆豪の声が聞こえ、驚きのあまりソファから転げ落ちた。
そしてむくりと起き上がり、爆豪を見ると机の上に置いていたはずの携帯を手にしていた。おいそれ私の。
抵抗として黒皮のソファに置いてある、叔母さん趣味の場違いなハートのクッションを、爆豪に向かって投げる。が、そう簡単に顔面には当たらず軽々と避けられてしまった。
換気のためにベランダを開けていたから、恐らくそこから入り込んだのだろう。つーか何しに来たんだよ、と足を折り畳み爆豪に問いかけた。
しばらく爆豪は深刻な顔で黙り込む。なんだなんだシリアス。
薄い唇を少し開ける爆豪の言葉を待つように、ごくりと固唾を飲む。
「暇つぶし」
『死ねよ』
うっせえと無愛想な返事と一緒に、私の携帯も投げ返された。
人の物なんだからもう少し丁寧に扱え、とあからさまに眉を寄せ携帯を覗き込む。黒い文字で｢爆豪勝己｣と表示されていた。
『何だこれ』
「俺のLINEだ。ありがてえだろ」
『いらんわ消すぞ』
それを左にスワイプし、削除ボタンを押そうとすると割りと本気で頭を鷲掴みされた。
いててと頭を抑える私を無視し、爆豪は辺りを見回す。大体なにを言いたいかはわかるが。
「つーかおっさんとかは？まだ帰ってねえのか」
『だいぶ前に死んだ』
「はあ！？」
『今時珍しくないだろ』
個性が氾濫するこのご時世。私の父のようなモブヒーローが人知れず消えるのは珍しくもない。
何だよそれ聞いてねえぞ！とか言ってねえんだから当たりめえだろ。
「つーことはお前今この家で一人か」
『おばさんに引き取ってもらった。今日は出張で居ないけど』
「......帰る」
理由を訊いても死ねとか言いながら帰りやがった。反論させろやコラ。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
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まっちょヒーロー(プロフ) - んさん» 読み進めて頂ければ後々説明があるのですが、ヒロインは<特別推薦>という設定で、筆記は免除の代わりに実技はみんなと同じように受ける試験の仕組みになっております。わかりにくくて申し訳ございません。 (2021年7月11日 4時) (
レス) id: bd2b404748 (このIDを非表示/違反報告)
ん - ヒロイン推薦なんですよね？何でデクたちと同じ日に会場にいるんですか？ (2021年3月22日 21時) (レス) id: 0324f0d530 (このIDを非表示/違反報告)
ライカ(プロフ) - すいません！YouTubeから来たライカという者ですが、この作品、毎日見てるんですけど、全然飽きませんね！その文才をちょっとください！ (2017年7月21日 22時) (レス) id: 5fc3e44d27 (このIDを非表示/違反報告)
まっちょヒーロー(プロフ) - 黒虎さん» ありがとうございます！載せさせてもらいます！ (2017年6月16日 6時) (レス) id: 9de6d60241 (このIDを非表示/違反報告)
黒虎(プロフ) - まっちょヒーローさん» 大丈夫です！ (2017年6月16日 1時) (レス) id: 71962d5520 (このIDを非表示/違反報告)
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