I don't know… I don't know… ページ20
今日の朝から私はどうしたのだろう。
もしかすると熱でもあるのかもしれない。
「こちらが総統室です。」
他の人もいて、順番となっておりますので寄り道しながら行きましょうと案内人が言っていたような気がする。
あと2、3人だったので丁度よかったらしい。
「……あ、はい。ありがとうございます。」
ボーッとしていて反応が遅かったが、緊張からと捉えられたのかその人からは何も言われなかった。
自分の番が近づき、入念なチェックが行われた。
とりあえず今まで考えてたことは忘れて挨拶に集中しよう。
そう考えてとうとう総統室へノックをした。
「どうぞ。」
バリトンボイスが扉越しから聞こえた。途端に寒気がする。恐怖が走る。
なぜか、とても怖い。
総統はあまり表には出ない方で顔はおろか声も聞いたことがなかった。
なのに始めて聞いた声だけでそう判断するのはおかしい。だから大丈夫だと納得させ扉を開ける。
「…失礼します。」
私は扉を開けた。開けた瞬間に固まった。
金色に輝く髪、美しく整った顔、シワひとつない服、そしてとても赤い、赤い目だった。
赤い、赤い。
血の色と同じだ。
私は震えながらもなんとか扉を閉める。
そして総統様が座っている机まで歩いて立ち止まる。
彼に安心感を持つと共に彼が怖い。と思う。
第一印象で決めたとかそういうことじゃなくて、本能で感じてしまった。
「……あ、ぁ。」
時間が経つごとに安心感よりも怖さがまして、震えが止まらなくなる。
なにか声を出さないといけないのに何も出せず、ただ彼の目の前で立っているだけ。
とても失礼なのは分かっている。が、それでも震えも思考も止まってくれなくて涙がこぼれ落ちそうになる。
とうとう彼の方を向いていることも出来ず目を下に向けようとした瞬間、総統様は立ち上がって私の震えている両手を握った。
そして、
「…すまない。」
そう、総統様は言った。
「いいよ。」
私は考えるよりも早くそう答えた。
顔を上げて総統様の方を見た。総統様の目は赤いが、そこには反省の色が混ぜられていた。
いつの間にか震えは止まっていた。
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しらす - めっちゃ感動しました!!ありがとうございます (2019年4月27日 23時) (レス) id: 3e07d4634e (このIDを非表示/違反報告)
めい(プロフ) - 素晴らしい作品を。。ありがとうございました。。。 (2019年3月24日 21時) (レス) id: 0b596b15a5 (このIDを非表示/違反報告)
アルバ|˙??˙))(プロフ) - 感動しましたっ…! (2019年3月18日 20時) (レス) id: c177f1386f (このIDを非表示/違反報告)
薙(nagi) - 好き過ぎて辛い、なんかもう…お幸せにヽ(;▽;)ノ (2019年3月15日 22時) (レス) id: 43e3ad1e0e (このIDを非表示/違反報告)
イムさん - う、うわぁぁぁぁぁあん!!!泣 か、感動しましったっ!!!面白かったですーー!!!二人共お幸せにっ~~!!!!グルさんもいい人と会えますようにっ!!!……いやもうこれ、とんちが女になってグルさんととんちと愛し合えばよくね??gr「やめろ」tn「やめて」あっはい…さーせん (2019年1月27日 19時) (レス) id: e7f7ec6ca4 (このIDを非表示/違反報告)
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