【d!】they love【z/m】

I know…? ページ21

少しだけ沈黙が走った。

…私は何を言ってるのだろう。訳が分からないことが続いているな、と自分でも分かっているがそれよりも失礼な事をしたのではないか、という焦りの方が勝った。




「…今のは気にしないでくれ。

俺も何でその言葉を言ったのか意味はよく分からなかった。」




総統様も訳が分からないというように首を振った。




「大丈夫です。私もよく分かっていないので…。」



「…そうか。

では、本題に入るとしよう。」




そこからは簡潔に軍の設備や大まかな仕事の内容を教えてくれた。貴重な職務の時間を割いてまでしてくれているなんてとても感激だった。



「ありがとうございました。」



「ああ。諸君の検討を祈る。」




最後に私はハイルグルッペン、と敬礼をし出ていこうとした時、




「…どこかで会ったことあったか？」



そう総統様に問われた。

私は振り返り、少し考えてこう答えた。




「分かりません。ですが、とても懐かしいような、そんな感じがします。

まるで命の恩人のように。」




そう言った時、彼は目を少し見開いて、誰かの名前を口走っていた様な気がしたが、たった一瞬だったので見間違いなのかもしれない。

私はもう一度ありがとうございます、といいドアの方を向いて部屋を出た。








___________









「…そうか、そうか、あのAだったんだな。

今、やっと思い出せてよかった。





幸せなってくれ、愛していた人よ。」






Aが出ていき誰もいない、ただ1人だけの空間で彼はそう言った。

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